普天間基地移設問題;年内解決の意味するところ
普天間基地移設先についてあちこちから様々な案が出されている。しかし県外の移設先を提案する人たちは、なぜ米軍が沖縄内での移設にこだわるのかという事を考慮していないように見える。
米軍が沖縄内での移設にこだわるのは、中国本土、台湾そして朝鮮半島に近いという立地がまず第一であるが、沖縄本島や周辺の訓練施設に至近であり、基地から直接に訓練に出動できるということだ。さらに、これらの訓練施設は米軍専用であり、本土にある訓練場のように自衛隊と調整を行う必要もない。つまり、沖縄は米国本土と同じように訓練が行える日本唯一の場所なのだ。単に飛行場があればよいというものではないのだ。これを考慮せずに沖縄外の場所を提案しても米軍は耳を貸さないだろう。
つまり、普天間基地を早期に移設しようとすれば、飛行場と米軍専用の訓練場をセットで提供しなけれbならないということだ。そんなことが可能な場所は日本国内のどこにもないどこにもない。結論として、議論すべきは普天間基地の移設ではなく事実上の廃止ということになる。
しかし現実には、これは日本政府の強力な外交力無しには実現不可能で、長期にわたる外交交渉が必要になる。民主党政権にしても、自民党政権にしても、弱体化した日本政府実現できそうにもない。
結局、年内に解決するには既存プランでの受け入れを地元に受け入れさせるという以外の選択肢はない。果たして、民主党が無能でその事を認識していないのか、あるいは認識していて年内解決を目指すという欺瞞を行っているのか。いずれその真相が見えてくるだろう。
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