関空振興策
橋下知事は、関空振興のために大阪空港(伊丹)の廃止や利便性を減らすことにばかり頭が行くようだが、それは大阪経済の地盤沈下を促進する副作用が大きいので好ましくない。また、国の負担で関空と大阪北間にリニア-モーターカー路線を敷くとの案も発表している。これは恐らく、上海のリニア-モーターカーを見ての発想だろうが、莫大な建設費用がかかり関空を取り巻く全体の採算をますます悪くするだろう。
それ以前にあまり費用をかけずにできる振興策は幾つもある。
まずその一は、貨物便利用の促進だ。成田の航空貨物は飽和状態になっているが、現状敷地拡大が不可能なため有効な対策がない。拡大余地がある羽田に国際便を戻そうという動きの背景には、この問題もあると考えている。これに対し、関空には対岸を含めて利用可能な土地がたくさんある。24時間発着可能という特性と、この土地の余裕を利用すれば貨物便利用の拡大は可能だ。
そのためにはまず空港橋を無料にし、通行する輸送車両の経費を下げる。次いで搬入と搬出、そして通関や乙仲の作業を24時間行えるようにし、処理待ち時間を短縮する。そのための敷地が必要であれば、対岸にいくらでも空き地がある。
そしてその二は、24時間アクセス可能にすることだ。現在航空機の発着は24時間可能だが、深夜から早朝にかけては公共交通機関によるアクセスができない。これでは深夜時間帯の発着が嫌われ、利用が伸びないのは当然だ。これを改善するには、空港周辺の主要都市中心部への公共交通機関によるアクセスが確保されていなければならない。
例を二つあげたが、これらは比較的少ない費用で実行可能だ。貨物の通関作業を24時間可能にするのは、旅客に対しては既にできているのだから不可能ではないはずだ。また、交通機関についても補助金を上手に支出釣れば維持可能だろう。
関空の振興は大がかりなことからではなく、少ない費用(と粘り強い折衝)で実施可能なことから手をつけてゆくべきだ。
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