パソコンの「進化」は最早不要
現在のインターネットの枠組みが維持される限り、パソコンの「進化」は最早不要だろう。これ以上の高速化・高機能化が求められるのは、パソコンゲームの一部、ハイスペックゲームと呼ばれる分野だけだろう。その分野にしても、高性能化が求められるのは画像表示に関する周辺機器が主要な役割を担っている。
これまで、パソコン業界はOSとハードウエアが互いに高機能化と高速化を求め合って、お互いを短期間で陳腐化し、新しい需要を喚起してきた。しかし、パソコンを単なる情報処理装置としてしか使わない一般消費者が増えるにつれ、性能に対する要求は相対的に低下し、性能よりも使い勝手の良さや長く使えることに対する要求が高まっている。パソコンがマニアや実務者たちだけのものではなくなり、一般消費者のものとなったため、家電並みの使い勝手と寿命が求められ始めたのだ。これは、高性能化・高機能化を進める事で旧製品を短期間に陳腐化し、それによって新たな需要を生み出すという、従来のビジネスモデルが崩れ始めた事を意味する。
今後パソコンには家電並みに長期間使用できることが、ハードウエア・ソフトウエアの双方で求められる。それとともに、使用者がインターネットでソフトウエアをアップデートしなければ安全性が保てないという商習慣も是正が求められるだろう。最早パソコンが商品としての特殊性を主張できる時代ではないのだ。
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