FX問題
FX(次期主力戦闘機)は防衛庁が相変わらずF-22に執着している。しかしこれは全く賛成できない。
なぜならば、F-22は米国自身が価格が高すぎ、性能に見合わないとして購入を中止したものだからだ。製造会社の試算によれば、日本が買う場合には米国向けの2倍以上の価格(約250億円)になると言う。こんなものを欲しがるのは、子供が高価なおもちゃを欲しがるのと変わらない。
米国が開発中の次期主力戦闘機F-35はステルス性能が少し低下するが、空中性能が改良され、価格もF-22の半分以下になる見込みだという。これは米国と欧州が共同開発し、製造予定数もF22より遙かに多くなると見込まれているからだ。米国政府は、日本がこれに加われば一機あたりの価格がさらに下がるとしている。
だとすれば、調達費用はF22輸出型の場合の1/3以下になると期待できる。F-22の2倍の機数を購入してもおつりが来る勘定だ。F-35のステルス性能が現行機並みに下がるのでなければ、総合的な防衛力がさほど低下する事にはならないだろう。
防衛省幹部にF22の商権を持つ商社から働きかけがあるのだろうが、無駄は無駄として毅然として切るべきだ。兆円単位の無駄使いは無視するわけにはいかない。
追記(2009/07/30);
米国での生産継続派の議員が揃って断念を表明した事で、F-22の生産終了が確定したようだ。構想から配備まで20年を要し、米軍自身が価格、運用コスト、そして故障率の高さに音を上げたとも言われる、F-22の導入に執着するのはばかげている。F-22の失敗経験を生かして開発が進められるF-35の方が、総合的なバランスが優れたものになるのは間違いないだろうから。
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