発熱者に対する診療拒否
新型インフルエンザに対する恐怖のあまり、発熱者に対する無差別の診療拒否が横行しているそうだ。新型インフルエンザ患者を診療した場合の不評被害(客足が遠のくこと)を恐れてのことだろうが、病院経営者たちのモラル欠如ぶりもここに極まれりという感がある。
病むものを治療するのは病院の社会に対する義務であり責任でもある。経営効率化のみを追い求める病院経営では採算が最優先となり、それが放擲されているのだ。これも市場原理至上主義の小泉・竹中改革による弊害だろう。効率化の陰で捨て去られる多くの道徳観と蔓延する利己主義の例とも言える。儒教を復活せよとは言わないが、昭和中期以前の庶民が共有していた、思いやりの心が跡形もなく失われてしまったことを嘆くばかりだ。
封建制ではないので「忠」は不要かもしれない。しかし社会という集団の中で生きる以上、「仁」「義」「礼」「知」「信」そして「孝」は基本的な心のあり方として必要だろう。診療拒否を行う病院経営者(経営者が医師ではないことが多くなった今、あえて医師とは言わない)たちには、これらの内の幾つもが欠如している。そのような者たちを欠陥人間とは言わないのだろうか。
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既に入院している患者を守るためでしょう。
受け入れられる設備や資材を持っていない病院(タミフルやリレンザなどの薬剤が足りないし、マスクその他の資材も足りないし、院内感染を防ぐために空調を別にしなきゃいけないけどそれが出来ない)が受け入れを断るのは仕方が無いんじゃないですか?
入院者は抵抗力が落ちてる訳で、そんな中で院内感染が起きたら命を落とす危険性があるんですから。
Posted by: 都筑てんが | November 17, 2009 05:35 AM