ニンテンドーDSの累計出荷が1億台
ニンテンドーDSの累計出荷が1億台を超えたそうだ。南極から北極までの全世界の、赤ん坊から100歳以上の全人口のほぼ5人に一人が持っていることになるが、これは驚くべき数字だ。ゲーム機としては低性能なDSがこれほど売れていると言うことには、商品開発関係者に対する大きな教訓が含まれている。
ハイテク製品の商品開発に関わる技術者やマーケッティング担当者の多くには共通した習性がある。それは新機能や多機能を数多く盛り込み、また高性能化することが売り上げ増進に必須と考えがちなことだ。これは、携帯電話やパソコン、そしてそれらで使われるアプリケーションやゲームについても同じで、マニアやマニアを気取りたい半端な知識を持つ消費者の自慢になるような新商品を作りたがる。また、市場調査においてもマニアやマニア気取りの者たちが多く回答するので、マーケッティング担当者の意識もそちらに向いてしまう。その結果彼らにとってニンテンドーDSの様な製品は隙間商品と見なされてしまう。
しかし、市場全体としてはマニアやマニアもどきはごくわずかで、このような層ににあわせた商品の方が隙間商品なのだ。ニンテンドーDSとそれに向けたソフトがこれほどに売れているということは、ハイテク商品開発の方向性に関する重大なアンチテーゼであり、決して軽視してはいけない。
ハイテク製品も、重厚長大(物理的な重さや大きさのことではない)の時代から軽薄短小の時代へと代わりつつあるのだろう。
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