米国のバブル崩壊が日本よりも深刻な理由
米国のバブル崩壊は、かつての日本のバブル崩壊よりも急速かつ深刻な影響を経済に与えている。その背景には確定拠出年金が普及しているという事がある。
確定拠出年金は、企業年金の企業拠出分を先に受け取り、受給者が自分で運用するという物だ。制約が多い企業による運用よりも、本人がリスクをとってハイリターンの運用をすることにより、企業が運用するよりも多い金額を年金として受け取れるとして、日本でも政府・財界が普及させようとしたがあまり成功しなかった。米国ではこれが普及しているため、今回のバブル崩壊では確定拠出年金の運用でも大きな損失を被った人が多数出ているはずで、その人たちは老後資金の多くを失ったことになる。
そのような人たちは必然的に消費を控えることになる。その結果、生活に必須でない自動車の新型への買い換えなど、大型消費財への支出に急ブレーキがかかったわけだ。まず自動車販売の急減速が話題になっているが、今後はその他の大型消費財販売の減少が話題になるだろう。
いずれにしても、社会全体が投機に依存してきた米国型経済の重大な欠陥が露呈したことには間違いない。国家が目先の税収増に目を奪われて、投機中心の経済を放置するとどのようなことになりうるのかを示した例として、今後の経済運営の教訓としなければならない。
それにしても、米国の誇りであったGMが倒産の危機に直面しているとは。ここ数年、ベンツを模倣した大型高級車路線を突っ走ってきたトヨタは大丈夫なのか?
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