特許を使った詐欺商法
聞いたことのない会社から、女性の声で電話がかかってきた。
用件を訊くと投資だという。詳細の説明を求めると、「世界初の特許でダイオキシンを無害化する」のだという。怪しげな話なのでどんな特許なのか尋ねると、「水のプラズマ」を使うと言う。さらに詳細な説明を求めるととたんにしどろもどろになり、挙げ句の果ては「失礼しました」と言って電話を切ってしまった。どうやら詐欺商法だったようだ。
特許と言ってもいろいろあり、実用価値のない特許も山ほどある。これは大手企業の研究者として、数える気がしないほど数多くの特許を出願してきた当人が言うのだから間違いない。さらに付け加えれば、特許庁の審査官を言いくるめることができれば眉唾物の特許も取得できる。事実、インチキ特許も少なくはないのだ。しかし技術に詳しくない一般人は、特許と聞くとそれだけですごいものだと思ってしまう。
もう一つ、特許は出願、公開、審査、公告、登録という手順で付与される。中身がインチキだろうが、価値が無かろうが出願はできるし、出願の1年半後には自動的に公開される。この段階では中身の吟味はされないので、インチキ特許で「特許出願中」と言っても嘘にはならない。これが一番多く使われる手法だろう。
と言うわけで、特許をだしに使った詐欺商法は後を絶たない。麗々しく「特許」を謳ったもうけ話は、詐欺商法だと決めてかかる方がよい。
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