トヨタ、「カイゼン」を改善す
トヨタが自主的活動で業務ではないと主張していた、「カイゼン活動」が業務であるとの判決を受けて、「カイゼン活動」に対して時間外手当を支払うとのこと。「カイゼン活動」は、企業の業務に関わるものであるから当然だろう。
長い間、「カイゼン」に代表される「職場グループ活動」に於いては、時間外手当を支払わないという労基法違反行為が、トヨタが払っていないからと言う理由でまかり通ってきた。私が勤務していた会社でも、グループ活動への「自主参加を強制」することが当然のように行われていた。労務担当者が「グループ活動への参加状況は考課の対象になる」と公然と口にし、実際に私が管理職として行った人事考課の項目にも含まれていた。全く参加しない場合には「反会社分子」の烙印が押され、昇級が拒否される場合さえあった。多くの会社でも、同じやり方で自主活動への参加を強制していたことだろう。
日本においては「会社に対する忠誠と滅私奉公」が当然とされていた。しかしそれは、終身雇用と年功による昇進が保証されていることの見返りであった。終身雇用も年功による昇進も保証されなくなった現在、「滅私奉公」を求めることは無理であるし、「忠誠」も正当な対価(労働報酬)なしには期待すべきではない。その意味でも、「滅私奉公」を強要していた「カイゼン」が改善されることは喜ばしい。
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