民・民天下り
7008/02/03の朝日新聞朝刊の「私の視点」で、神鋼電機会長の佐伯弘文氏が”「民・民の天下り」を廃止せよ”というコラムを書いておられる。
「官・官」あるいは「官・民」の天下りは世論の批判にさらされているが、「民・民」の天下りについてはほとんど言及されてこなかった。しかし、佐伯氏の書いておられるとおり、「民・民」の天下りはごく一般的に、かつ公然と行われていることだ。
これについては私も以前に書いたことがあるが、「官・官」や「官・民」は「天下り」と呼ばれるが、「民・民」の場合は「再就職先の斡旋」と呼ばれているだけのことだ。実際には、大企業から中企業へ、中企業から小企業へと当たり前のように「天下り」が行われている。受け入れる側が受注の利権を期待するのは官からの場合と全く変わらないし、民間では利権に関する期待がむしろ公然と語られる。
このことを考えると、官からの天下りだけが問題にされるのは不合理に思える。民間については「天下り」による利益誘導が違法ではないと言うだけのことだ。
さらに、この点に着目すると民営化の正体も見えてくる。民営化されれば「天下り」はし放題だし、発注側主導の談合も、さらには賄賂を受け取っても、その企業から告発されない限り違法ではない。このように、民営化された政府関係機関の幹部達にとっては良いことずくめで、誰のための民営化なのかは明らかだ。
補足;「私の視点」には興味深い意見が述べられていることがあるのだが、残念ながら朝日新聞社のウエブサイト「asahi.com」には掲載されていない。
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