強要される自主参加
2007/02/07付けの朝日新聞「私の視点」で、経済評論家内橋克人氏が「偽装管理職」の問題について書いておられる。しかし、残業手当の支払いを逃れるための姑息な手段はこれだけではない。それは例えば「裁量労働制」であり、「自主活動への参加の強要」である。
「裁量労働制」は「労働時間は労働者自身で決める」と言う建前ではあるが、現実には長時間労働をしなければこなせない量の仕事を押しつけられることが多い。「成果主義」の美名の下に、長時間労働を競わせるのが実態だ。
また、トヨタに代表される「カイゼン」活動においても、勤務時間外の活動への「自主参加」を強要されることが多い。活動内容もすべて業務に直結するものであり、参加状況が人事考課に反映されるので、実態は強制参加であり「サービス残業」だ。
つまり、日本企業の発展は労働者に正当な対価を支払わないことによって支えられてきた。そして現在、財界は国際競争力を高めるためと称して、「サービス残業」の合法化を求めている。「サービス残業」の合法化と「成果主義」の強化が結びつけば長時間労働はさらに増加し、日本の労働者は産業革命時代の英国の労働者のような過重労働に苦しめられることになるだろう。
「改革・解放」の名の下に、姑息な手段を合法化しようとする動きを見過ごしてはいけない。
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