アダルトチルドレン
古館氏が「アダルトチルドレン」という言葉の用法を誤ったとして謝罪したそうだ。その記事によると「アダルトチルドレン」という言葉は「一般に」、ある種の幼児体験によって精神的な傷を負った人たちを指すのだという。
しかし、その定義は「一般に」と言って良いものとは思えない。実際問題として、十数年前に「アダルトチルドレン」と言う言葉が、幼児的・短絡的な行動をする大人になれない若者達を指す言葉として、流行語になったことがあった。そのときにも、それ以降にも、「アダルトチルドレン」の言語学的な定義が修正され、それを広く周知する努力がされたと言うことを私は知らない。今でも「大人になれない人達」という意味の方が、広く通用するという点で「一般的」だと思う。
精神的な傷を持つ人たちを傷つけたという前に、学会などの内輪だけでの「一般的」でなく、「誰にでも通用する」という本当の意味での「一般的」に、広く通用するよう周知をはかるべきだ。「アダルトチルドレン」という言葉に反発したと言うことが、十数年前の意味での「アダルトチルドレン」的であるように思うし、さらに言えばそのような人たちを「アダルトチルドレン」と呼ぶ医学界の方が、一時代の流行語をそのような症状に名付けたと言う点で言葉の用法を誤っているし不見識だと思う。
補足;
流行語になった「アダルトチルドレン」は、「外見だけ大人で中身は子供」と意味で作られた和製英語だ。英語の表現として用いれば「大人っぽい子供」のと言おうとした、舌足らずの英語と受け取られるだろう。そのような単語を専門用語として使うのはいかがなものか。
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