予想通り週明け前場の株価は急落。このところニューヨークの週末動向の影響が大きいので、週末は手じまいして週明けの動向を見て改めて買うのが良さそうだ。
それはともかく、株価が低下すると実体経済への影響が有るのか無いのかが議論される。当然のように下がれば悪影響、上がれば好影響というわけだが、本当にそうだろうか。
現状の市場では、投機ファンドの影響力が大きくなっているらしい。投機ファンドは株価変動による利ザヤ稼ぎもするが、配当による利得も強く要求する。しかし、株価が上がっても配当が同じであれば利回りが低下する。そうなれば当然、投機ファンドは利回り改善のために配当増を要求する。これが問題なのだ。
米国流の経営では、経営責任者は投機ファンドからの評価で決められると行っても良い。そしてその評価とは格付け会社によるランクによっており、その基礎になるのは株価と配当率である。従って経営責任者は株価と配当を極力あげようとする。
この際、経営責任者にとってこれらを上げる最も簡単な方法は。労務費と購買費用の削減である。従って、配当増を求められた経営責任者はこれらの引き下げに走ることになる。そしてそのしわ寄せは結局、従業員と下請け企業に行く。これらは、結果として一般消費の冷え込みに繋がる。
つまり、株価上昇で利益を得るのは投機ファンドとそれを利用する投資家だけなのだ。もし、本気で実体経済の上昇を望むならば、配当よりも賃金と購買費用を増加させるべきであり、労働者の所得増をはかることによって一般消費の増加を目指すべきなのだ。
また、海外の投機機関による持ち株が多い現状では、支払われた配当の多くが国外に流出してしまい、国内に還流しない。これもまた、国内の一般消費が増加しない要因となることは言うまでもない。
米国流経営がもてはやされるのは米国流経営指標においてだけだ。そして米国流経営とは、その本質において株価を上げた上で会社を売却して利益を得ることが(たとえ仮想上であっても)目標の一つである。それ故、会社の売買による利益を想定しない日本流経営では、米国流経営指標など的はずれなものなのだ。
そろそろ、米国流経営の幻想から目覚めないか?
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