クマゼミ
大阪ではクマゼミが大発生しているそうだが、神戸の私が住む辺りでは昨年、一昨年と較べると半分以下のようだ。今年は木の枝で、とまる場所の奪い合いをする事もないし、窓を開けたままでもテレビの音声を聞く事ができる。どうやらクマゼミの発生状況は、地域によって違いがあるらしい。
クマゼミが増えているとは以前から言われている。その原因には市街地の温暖化があげられる事が多いが、私は公園や街路樹の樹種も関係しているのではないかと思っている。クマゼミが多く集まる樹は、まず第一に楠であり、ついで桜や欅ではないかと思っている。そして、これらの樹は緑化に伴って市街地に増えている。つまり、クマゼミが好む樹種の増加も原因の一つではないかと思うのだ。
子供の頃のセミの記憶も、特定の樹種と結びついたものが多い。ニイニイゼミは杉やサワラ、アブラゼミは青桐、ツクツクボウシはサルスベリ、そしてミンミンゼミは桜などだ。私の例は極端だと思うが、都市部に限って言えば、セミが好む樹種の増減がセミの発生数にも影響しているというのは間違いだろうか。
京都で長年にわたりセミの調査研究にとりくんんでいるものです。私たちとまったく同じ見解を表明されていることに、驚きました。クマゼミにも好む樹種があり、都市の樹木環境が貧困化、単調化する中で、クマゼミしか住めない樹木環境となっています。とはいえ、メタセコイア、カキノキ、スダジイなどの樹木群では圧倒的にアブラゼミが出ます。セミにはそれぞれ樹種嗜好性があり、存在する樹木群によって、セミの割合も決定しています。
NHKの虚偽報道(大阪でクマゼミだけが大発生)に対して、NHKとその番組に出演していた初宿・沼田氏に公開質問状を出し、先日それに対する回答がありました。クマゼミの割合が高いこと=クマゼミ大発生、と表現したという、小学生でもわかるすり替えをしています。虚偽報道とのたたかいを行っていますが、情報源となった学者も反省必要ですね。視聴者をなめるなといいたいです。
Posted by: 米澤信道 | September 02, 2007 09:43 PM