テロ特措法
テロ特措法に関する議論が少しずつ盛り上がってきた。様々な立場から議論されるのは大いにによい事だ。
問題の要点の一つは、アフガニスタンやイラクでの戦争を正義の戦争と見るか、アメリカの就中キリスト教徒の反イスラム戦争と見るかだろう。どちらの戦争についても、キリスト教側に立って見るか、イスラム教徒側に立って見るかで状況は全く異なってしまう。
これらの戦争には、キリスト教原理主義とイスラム教原理主義の衝突という、宗教戦争の側面があるからだ。また、西欧キリスト教国民と中東イスラム教国民が互いに伝統的に持つ恐怖と反感も見逃すことが出来ない。特に、米国の多数宗派であるプロテスタント(新教諸派)の教義は、その根底に原理主義的要素を含んでいる。我々は、この点についても細心の注意を払って判断する必要がある。
日本においてテロ特措法に賛成する人達には、正義の戦争というキリスト教徒側の立場を単純に鵜呑みにしている人が多いように見えるし、反対する人達には戦争に荷担したくないと言う思いを単純に抱いている人も多いように見える。
日本人には無条件にキリスト教的的価値観を受け入れ、それを世界標準だと考えて、その立場からしか判断できない人が多い。しかし、神の絶対的正義を教義とするキリスト教やイスラム教の考え方にとらわれていると、問題の本質を見逃してしまう。そのどちらにも属さない我々は、異なった価値観を許容する仏教などの多神教的考え方に基づいて、日本の取るべき道をを探る事も必要だと思う。
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