7/31付けの朝日新聞の記事によれば、財界は政策論議のないまま敗北したと安倍氏に同情的だという。
財界よりの政策をとろうとしていた安倍氏に財界が好意を寄せるのは当然だが、政策論議がないままに敗北を喫したのは安倍氏自身が招いた結果だ。それは、政策論議以前の低レベルの大失態が多すぎたという事だ。このことに対して、選挙民が政策論議をするに値しない人物という評価を下したと見るべきだ。
一族経営の会社にままある事だが、ちやほやされて育った後継者が颯爽と経営を引き継いでは見たものの、本人が思いこんでいたような能力がなく会社を破綻させてしまうという、そんな図式を見る思いがする。偉大な政治家の血を引く自分には能力があるという自惚れから、本人にとって耳当たりがよい政策を並べては見たが、それを実現するための具体的な手順を組み立てて実行する能力がなかったと言えばよいかもしれない。
強いて安倍氏に同情する要因を挙げるとすれば、小泉氏がやり散らかした仕事の後始末を押しつけられた事だろう。小泉氏は総裁は2期までと言う党規を利用してさっさと引退し、自分自身ではするつもりがなかった面倒な仕事に高みの見物を決め込んでいる。自民党内には小泉氏再登板で支持復活を願う向きのあるようだが、自分自身で手に負えないと見て逃げた役目を受け入れるはずもない。
福田氏はさすがに小泉氏が後に残す混乱を見越し、愛想づかしをして官房長官を辞任した。安倍氏がその混乱をさらに拡大してしまった今、政権を引き継ぐ気は毛頭ないだろう。誰が引き継ぐにしろ、総裁2期は事態収拾でつぶれてしまい、自分自身の政策を実行する時間は殆ど無いだろうから。
麻生氏が安倍氏続投を望んだのも、安倍氏自身で事態を収拾してもらいたい、自分が総裁になるのはその後だという意思表示と見て間違いない。現状で政権を渡されて、泥をかぶるのは迷惑だということだ。他の後継候補も同様だろう。
いずれにしても、こんな安倍氏を見込んで肩入れしている財界人も人を見る目がないと言う事だろう。
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