臓器売買
フィリピンで臓器売買の制度化を検討しているそうだが、私はこれには反対だ。
制度化の理由は密売の撲滅が難しいからだという。これは、麻薬密売が根絶できないから自由販売を公認しようというのと同じだ。
私は、そもそも臓器移植は現状では許容せざるを得ない必要と考えている。一つの生のために一つの死を希求するのは倫理に反すると考えるからだ。これに加えて、貸し金取り立てのため、無くなっても直ちには命にかかわらない臓器や器官の販売を強要する事態が予測できる、臓器取引の公認などとうてい容認できない。
いずれ再生医療と、再生までの間をつなぐ人工臓器が進歩して、他人の臓器を移植する必要が無くなるだろう。私はその日が少しでも早いことを祈っている。
補足;臓器移植にむやみに依存すると、どのようなことが起こりうるかについては、SF作家ラリイ・ニーブンが「ノウンスペースシリーズ」で描いている。小説であるから誇張して書いているが、現実にどのような事態があり得るのか考察する手がかりとできる。臓器移植の反倫理的な面も一度考えてもらいたいと思う。
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