安定成長のためになすべき事は?
以前にも述べたように、全ての財は様々な過程を経て最終的に一般消費財に変換され、一般消費者によって消費されることによってその生産が完結する。ここで言う一般消費財とは、衣食住に関連する財であり一般消費者によって使用され、寿命が尽きれば消滅する物である。従って、経済の好・不況を根底で支えるのは一般消費であり、それは一般消費者の将来の収入予測に依存する。
この観点から現在の経済状況を見れば、国民全体の収入が伸びない事から一般消費が停滞するのは当然であり、極めて不安定な根が衰えた樹木のような状態にあると判断できる。従って、小さなきっかけでマイナス成長に転じる可能性があり、これを避けて安定した成長に導くためには、国民所得の底上げ、特に大量生産財の主たる消費をになう中低所得層の所得の増加が必要と考える。
補足;
一般消費財に変換されない財、例えば金融財などは取引に関与する者同士の取り決めに拠って評価され価値が発生する物であり、取り決めの前提になる環境が変化すればその価値が消失することがあり得る。一般消費財に変換されうる財でも、市場における投機により実際の消費に見合うことなく付加された価値は、同様に消失することがある。この様に投機により、実際の需要を無視して余分の価値が付加された状態がバブルである。
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