米国の迷走
ブッシュ氏がイランに対する非難を強めている。イラク攻撃の失敗に対する不満を、イランに対する恐怖感を煽ることでそらそうというのだろうが、やりすぎるとイラクのシーア派の米国に対する反感を強め、米国に依存して権力を保持している暫定政府の基盤を崩壊させる事になりかねない。なぜ暫定政権が米国に対して距離を取り始めたのを熟考すべきだ。既に、イラクに親米政権を樹立するという構想は幻想になりつつある。
さらにイラクの内戦状態が続けば、クルド自治州の独立、それを受けてのトルコ・イランのクルド族の分離独立運動の過激化などに繋がり、南部でのサウジ・ヨルダン対イランの対立と合わせ、収拾がつかなくなる恐れもある。また、これらの国々が衝突を避けるため、国内の不満をイスラエルに向ける可能性にも注意が必要だ。
一方で米国内の関心が薄い北朝鮮問題については、何とか外交手段でとばかりに譲歩をちらつかせる事を繰り返している。いずれ、実際に米国が先に譲歩する事態に追い込まれるのは目に見えているのだが。
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