ウイニー開発者に有罪判決
ウイニーの開発者に有罪の判決が下りた。反発する人が多いようだが、元技術者の一人としては当然の判決だと思う。
昔とは違い、新しい技術を開発する者はそれが悪意ある者の手に渡った場合や、不注意な使われ方をした場合の結果を予見する義務がある。新しい技術が社会や自然に与える影響が大きくなった今、可能だからあるいは便利だからと言って何でも公開して良いものではないのだから。
その意味で、技術者に反省を求める良い判決だと思う。
現在、インターネットで何でもできるとしてインターネット家電が喧伝されているが、悪意ある第三者に侵入されたらどのようなことが起きうるかをよく考えるべきだ。やろうと思えば火災を起こしたり、エアコンを操作して人を殺すこともできる。
そして、インターネットではその性質上、外部からの侵入を完全に防ぐことは不可能である。利便性と危険性がうらはらの関係にあり、どちらを取るかは熟慮しなければならない。
過去の歴史を振り返り、野放図な技術の公開が数多くの悲惨な結果をもたらした事実を、もう一度かみしめてみるべきだ。大衆や政治家が判断すべきことなどと言うのは技術者として無責任だと思う。
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