新型太陽電池
少し前になりますが、シャープが透明な太陽電池を開発し窓ガラス用として売り出すと言う事が報道されていました。 写真ではよく分かりませんでしたが、LED(発光ダイオード)も組み込まれていて、照明にも使えるとのことでした。 窓ガラスを照明に使うのは建物の外に逃げる光が多くて効率が悪いような気がしますが、建物の外壁のサインとしての利用が考えられるとのことでした。 太陽電池は面積あたりの発電量は小さいのですが、大きな建物の外壁を全てこれにすればかなりの発電量になるでしょう。 但し、値段は20~30万円/m2と高価で通常の外壁材の約2倍だそうです。
太陽電池と薄膜ELは基本的に同じ構造なので、今回の製品は太陽電池と薄膜ELを積層したものかと思いましたがどうもそうではないようです。 この記事を読んで私が考えたことは、遮光フイルムのようなシート場の太陽電池が作れないものかと言うことです。 最近よく話題になっている有機ELと有機太陽電池は構造が全く同じですし、P型層とN型層の間に色素増感層を作っておけば発電効率が上がるし、逆に電圧をかければ発光もすると思います。 シート状であればカッターで自由な形に切って窓ガラスに貼り付けられますし、内側に貼ればそこそこの耐久性が得られる可能性があります。 使用する材料は高分子半導体のほかに、無機半導体のナノ粒子を分散させてP型とN型を積層する方法もあると思います。 インターネットで調べた限りではこのタイプのシート状太陽電池を開発しているところは見つかりませんでしたが、作るとすれば写真フイルムメーカーが必要な加工技術を持っているので最も適しているでしょう。 写真フイルムを作るには粒子がそろった銀塩の微粒子を作る技術と、増感色素を使う技術、そして微粒子を含んだ薄膜を何層にもコーティングする技術が必要ですが、これらはシート状太陽電池を作るために必要な技術でもありますから。
2004/08/06 馬納戸昇(UMANANDO NOBORU)
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