パソコンの耐用年数(耐用期間)
前稿「ペンネームについて」にコメントをつけて下さった「いんべひろし」さんがハードディスクの余命予測ソフトを紹介しておられます。 これを見てしばらく前の「日経クリック」にパソコンの耐用期間についての記事があったのを思い出しました。
これによると、パソコン大手メーカーはハードディスクの耐用期間を一日8時間程度の使用で約5年と考えているそうです。 私の経験でも稼働開始後5年を経過すると、ハードディスクが故障する率が急に高くなるように思います。 以前、勤め先の5年から7年ほど経過したパソコンのハードディスクが次々につぶれて、交換と再セットアップに追われた事がありました。
ハードディスクはヘッドとディスク表面の間隔が極めて狭いため、ほこりがあると挟まって表面に傷を付け、それがさらにほこりを発生させます。 このためいったん傷が付くと急速に傷が増え、ついには読み書きできなくなります。 元々、読み書きのエラーは10のマイナス10乗ぐらいの割合で発生しているのですが、これを補正するしくみを持っているため実用上問題のないエラー発生率(10のマイナス12乗程度以下)に抑えることができるのです。 しかしエラーが増えると補正しきれなくなり、ついには「DATA READ ERROR」が表示されてパソコンがダウンすることになります。 「いんべひろし」さんが紹介されている余命予測ソフトは、恐らく補正前のエラーの発生率を何らかの方法でハードディスク本体から取り出して測定しているものだと思います。
また、パソコンの内部ではいろいろな電気的ノイズが多く、これが原因で内部のデーターのやりとりでのエラーも発生します。 これも一応補正するしくみを持ってはいるのですが、構成部品が劣化してノイズが増えるとエラーも増えて補正しきれなくなり、いろいろな動作不良を引き起こします。 構成部品の耐用期間もこの様な観点から決められているはずです。 一般消費者用パソコンと、業務用端末として売られているパソコンの価格の違いは、この部品の耐用期間(正しくは一定期間内の故障発生率=信頼性)の違いからきていると言われます。
いずれにしても、ソフトウエアやパソコン本体を再起動すると直るような動作異常が増えると、そのパソコンの寿命が近くなっていると言うことだと思います。
2004/08/29 馬納戸昇(UMANANDO NOBORU)
追加;BIOSのユーザー設定を保存する為のリチウム電池の寿命も約5年だそうです。長く使いたい場合は交換が必要になることもあります。
追加2;「耐用年数」というと税法上の「法定耐用年数」と紛らわしいので、表題に「耐用期間」を追加し、文中の語を「耐用期間」に変更しました。減価償却の基準となる「法定耐用年数」は、パソコンは現在4年とされているようです。
追加3(2009/06/15);ハードディスクの寿命に関するレポート(英文)を見つけたので、興味がある方はご覧ください。
URL;http://www.calce.umd.edu/whats_new/2003/1203.pdf
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