MDの商品寿命は尽きかけているようです
MDの商品としての寿命が尽き始めているように思えます。 それはMP3プレーヤーに代表されるMDより小型で大容量の携帯用オーディオ装置が安価に出回り始めているからです。 MDプレーヤーは自分が録音した自分の演奏ですらコピーは自由にできませんが、MP3プレーヤーはパソコンを使って短時間で簡単にコピーしたり移動したりすることができます。 MDプレーヤーのように専用ソフトも要りません。 私もMP3プレーヤーを一つ使っていますが、ライター並みのサイズにもかかわらず音楽ファイルだけでなく文書ファイルの持ち運びもできるので重宝しています。 この使い勝手のよさは以前からあるICレコーダーにも無かったものです。 後で述べるアクセサリーが市販されるようになるとICレコーダーも恐らく駆逐されてしまうでしょう。
私が使っている機種はMP3ファイル化をパソコンで行う必要がありますが、最新機種はLINE IN端子を持ち、アナログデーターを取り込んで自分でMP3ファイル化することが可能なものが多くなってきました。 これまでの機種もマイクを内蔵しておりモノラル録音は可能ですがメモ録程度にしか使えませんでした。 しかしステレオ録音が可能になったことで新しい使い方が出てきました。
従来から、合唱、ブラスバンド、オーケストラなどのサークルや部活では指導者や指揮者の指示を後で確認して楽譜に書き込んだりするため、練習中の録音をとることがよく行われています。 昔はカセットテープがこの目的に用いられていましたが、カセットレコーダーがあまり売られていなくなった最近はMDが使われる事が増えてきました。 しかしMDは著作権コントロールシステムのため、自分が自由に使えるはずの録音でも短時間にデジタルコピーを作る事ができません。 練習に出席できなかったメンバーに配布して次回までに自習してもらうため複数のコピーを作らなければならない場合に、アナログルートでコピーを作るのは時間がかかって大変です。 カセットテープですら4倍速ぐらいでコピーができたのにMDではそれもできないのですから。 これに対し、MP3プレーヤーではコピーはパソコンで数秒から十数秒でできてしまいますし、不要な部分を取り除いたりつなぎ合わせたりするのもパソコンで簡単にできます。 必要な先生の指示の部分だけを取り出して数百KBにしてしまえばメールで送る事もできます。 こうなると大きくて使い勝手の悪いMDの存在価値がほとんど無くなってしまったと言えるでしょう。
これに加えて、最新機種ではFMもハイビットレートのステレオで録音できるようになっているのでさらに便利な使い方ができます。 マイクとFMトランスミッターを組み合わせると、いちいち先生の前まで出て行って録音ボタンを押す必要がなくなるのです。 トランスミッターのスイッチは入れっぱなしにして、手元のMP3プレーヤーの録音ボタンを押すだけで済むからです。 また、一本のマイクで大勢が同時にそれぞれに録音する事もできます。 現時点では小型で安価なFMトランスミッター付マイクや、マイクの出力をFMトランスミッター用に上げる小型アンプは、インターネットで見る限りでは市販されていないようですが、オーディオテクニカさん、いかがですか作ってみませんか? 音楽サークルの人がよく読む雑誌に広告を出せば多少(数百個ぐらい?)は売れると思いますが。
2004/06/22 馬納戸昇(UMANANDO NOBORU)
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