高コスト高売価からの脱却を
この数十年、農業に限ったことではないが、高く売るためにコストをかけてブランド化を図る事をコンサルタント達が推奨してきた。 最近までは高価格でも売れたがここに来てそれを支えてきた状況が変化し始めている。
一つは新型コロナが引き起こした需要低迷だが、これはいずれある程度は回復するだろう。 もう一つは国際分業システムがうまく動かなくなったために、原材料が入手困難になったり価格が高騰したりして経営を圧迫していることだ。 これはコンサルタント達が推奨してきた国際分業による効率化が常に安定しているとは限らない事を示しており、何らかのリスクヘッジが必要である事も示している。 しかしリスクヘッジは余分なコストを要求することが、経営最適化からは嫌われる。 さらにもう一つは、国際分業は世界が平和であって始めて安定して実行できると言う事だ。 紛争が起きれば、当事国の状況で原材料の価格が高騰したり入手が不可能になる事もある。 国際分業を安定して続けるには、この様な国際紛争に対するリスクヘッジも必要になる。
この様な不安定要因を考慮すると、安易に国際分業に頼って低コスト化を図ってばかりはいられない。 リスクヘッジのためには輸入原材料に頼ってブランド化を図る以外に、国内原料を活用して低コスト低価格の生産も考えるべきだろう。 今回のように輸入燃料価格の高騰による赤字化で赤字生産になるような事が無いよう、たとえば燃料を消費しない低コスト生産に立ち戻ることも考えるべきだ。 その方が今流行のSDGsに合致するので、ある意味ブランド化が可能かも知れない。 もちろんハウス物のような高価格では売れないかも知れないが、オーバーオールでの収益性はその方がよく出来る可能性はある。
日本経済に染みついた手間暇をかけた過剰品質で高く売ろうという習性から、そろそろ転換してもよいのではないだろうか? わたしは過剰品質は反SDGsだと考えている。
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