急な増産は難しい
抗原検査キットなど感染検査用品が払底していると報じられている。 首相達はメーカーに増産を命じたと言うが、メーカーにはすぐに対応出来ないことが多い。
その理由の第一は原材料の入手だ。 次いで人手の確保が問題になることもある。
原材料があって、人手が確保できれば操業時間を延ばすことで多少は対応出来ることもある。 しかし通常製造メーカーは1~3ヶ月前から生産計画を立てて原材料と人手を準備し、使用する製造設備の確保もしなければならない。 原材料の多くはそれぞれの専門メーカーからの購入で、急に納入量を増やして欲しいと言っても対応出来ないことが多い。 常にある程度の在庫がある一般的な汎用原材料であればともかく、検査キットなどは特注品が多いだろう。 特注品の場合は使用者の購入予定に基づいて生産計画を立てているので、これもまた急に変更できないことが多い。 原材料メーカーの使用する原材料がさらに他企業からの購入品である場合はそこでまた同じ問題が起きる。 さらにまた、当初予定していた他製品の納入先との納期の調整もそれぞれで必要になる。
この様な理由で、急な増産は一回だけ1~2割増産するならともかく、何ヶ月も大幅増産することは難しい。 政府が求めても増産できるのは3ヶ月先と言う事も多いはずだ。
だから今回のように、専門家が11月頃から1月に感染の大幅増が予想されると警告していた場合、その時点で検査キットなどの必要品の増産をメーカーに要請しておかなければならなかったのだ。
恐らく、政府や官庁の高官には、この様な製造メーカーにとっては常識である事を知るものがいなかったのだろう。 在庫が底をつきかけてからでは遅いと言うことを知っておいて欲しいものだ。
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