タリバンは統一された組織では無い;イスラム過激主義は宗教改革のようなもの
アフガニスタン国民の一部がタリバンに不信感を持つのは、タリバンが統制された組織では無いからだ。 タリバンは寄り合い所帯で、共通しているのは西欧流(キリスト教流)の押しつけに対する反発で、それ以外には各自がそれぞれの思いを抱えている。 極端な言い方をすると、タリバンは昔の全学連のようなもので様々な考えを持つグループが寄り集まって構成されているて一枚岩では無いと見るべきだ。
そんな組織だから、いわゆる指導部の権威を認めてそれに従うグループもあれば、権威を認めず西田川無いグループもある。 だから指導部がこうしろと穏健な活動を命じてもそれに従わず厳しいイスラム教の規範を民衆に求める者達が出てくる。 自らを敬虔な信者と考えるものほどその傾向が強いだろう。 これは敬虔なユダヤ教信者やキリスト教信者が、それぞれの宗教の規範に従うことを周辺にも求めるのと同じだ。
最近厳格なイスラム教規範への服従を求める動きが強まったいるのは、西欧が考える正義や社会規範(これはほとんどがキリスト教の規範に基づいている)をイスラム教徒に広めようとしたことに対する反発から来ている。 キリスト教徒はキリスト教が絶対の正義と考えているのでイスラム教の正義は激しく否定するし、イスラム教徒もやはりイスラム教の規範を絶対の正義と考えているのでキリスト教の正義は否定する。 要するにユダヤ教を含めて3宗教がいずれも自分たちの神が絶対的正義であるとして、全人類が帰依して服従するよう求めていることから発している。 キリスト教化を堕落と考えてイスラム教の原理に帰ろうとする、これはカトリック教会の堕落に反発してキリスト教の原理に帰ろうとしたプロテスタント運動と同じだ。
アラブの春のほとんどが失敗して崩壊してイスラム過激派が勃興したののも、敬虔な(過激なではない)イスラム教徒がキリスト教の押しつけに反発したからだ。 アフガニスタンでタリバンが強大な勢力を得ているのも、タリバンの運動を支持する国民が多い故だと考えるべきだ。 我々が見聞きする情報は親西欧メディアによる親西欧派アフガニスタン人から得た情報だけなので著しく偏っていると考えられる。 その点はしっかりと頭に入れ絵置くべきだ。
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