疫病対策は中世からの手段しか今も有効な手段がない
結局の所、新規感染症を押さえ込むには中世から伝わる疫病対策、つまり地域封鎖しか手段がないようだ。
中世には疫病が発生すると軍隊が出動してその地域を封鎖した。 なぜならば、疫病は治療法がないので広がると多くの国民が死亡して国全体の存亡に関わるからだ。 そうして封鎖した地域内で新規の発病者が出なくなるのを待った。
それらの地域には医師が送り込まれることもあったが、対症療法以外の有効な治療法がないので医師自身も多くがなくなった。
そのような状況は今も変わらない。 変異したウイルスなどの病原体による新規感染症には、今でも対症療法しかない。 現代は既存の薬品があるので手当たり次第に試し、運が良ければ有効なものが見つかることもあるだろう。 しかしその結果が出るのには最短でも数ヶ月は必要だ。 正規の臨床試験として行えば一年近くはかかりそうだ。 またそのような緊急事態に、2重盲検法を含む正規の臨床検査を行う余裕すら無いことも有るだろう。 逆に、正規の臨床弛緩が完了する前に大流行が終了してしまうこともあるだろう。
つまり、新規感染症の拡大期には中世以来の地域封鎖以外に有効な手段はないのだ。 早期に地域を封鎖して拡大を抑えている間に、有効な治療法を探すことが最善と言う事になる。 また、地域外に出た患者は早期に発見して隔離することも必要だ。 そうしなければ、広がった感染症の終息には長い期間と膨大な手間が必要になり、経済的損失も大きくなる。
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