華ドラ
BS放送には相変わらず韓ドラがあふれている。 著作権が原因で地上波で使ったコンテンツを使いにくいため、慢性的にコンテンツ不足のBSにとって安い韓ドラはショッピング番組の時間比率を下げるための埋め草として好都合だからだろう。 だがここに来て中国製の華ドラも増え始めているようだ。
韓ドラでは時代物と現代物を問わず日本に少ない権力闘争物が主流だが、それは華ドラでも似たようなものだ。 しかし華ドラには韓ドラに少ない伝奇物や武侠物があり荒唐無稽だが見た目に派手な空中戦などがあってそれはそれで楽しめる。
また、華ドラには目に楽しい女優が多い。 主役級の若い女優は小顔で細身柳腰の美人が多いのが、大顔が多い韓ドラ女優とは異なる点だ。 特に最近目につくのは、スン・リー、ヤン・ミーなどの上海や天津系の女優で、アクション系が多い香港の女優から世代交代が進んでいるのかもしれない。
上記の二人は漢族だが、西域の少数民族出身の女優ディリラバもいて中央アジアの女性に多い切れ長の大きな目が美しく、かつて西域から献上されて皇帝を魅了した西域美人を彷彿させる。
華ドラの特徴である伝奇物や武侠物は派手な特撮が楽しいのだが、時代や地域の設定がいい加減だ。 もっとも架空の話なのでこだわる必要が無いと言うことなのだろう。 例を挙げると、今放送されている架空世界を舞台にした伝奇物「海上牧雲記」では妙に日本的なところが有り、一体どんな文化を想定しているのだろうかと思ったりもする。 理由は建物がなぜか日本建築の特徴を備えているからだ。 具体的には、軒の四隅がそり上がらない、建物の周囲に濡れ縁が巡らされている、畳敷きの部屋がある、などだ。 異国的な雰囲気を作りたかったのだろうとは思うが。
再放送が多い韓ドラに飽きた人には華ドラの新作も楽しめると奨めておこう。
ところで、韓ドラ、華ドラとも日本の時代物に多い庶民を主人公にしたり庶民の生活を描いた物はほとんど見かけない。 逆に韓ドラや華ドラに多い宮廷での権謀術数や権力争いを取り扱ったものはに日本では少ない。 分化伝統の違いと言えばそうなのだが、それは何に基づく物だろうか。 江戸時代に文化の担い手が庶民だった事とも関係があるのだろうか。 徳川幕府が大勢の武士を失業させた結果、武士の生活手段として寺子屋教育が普及して識字率が高まり、その結果庶民が小説を楽しむ様になって庶民を扱った作品が多数出版された事とも関係があるのかもしれない、と思うのだがどうだろう。
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