放射能汚染土の処理
昨日(2019/02/26)の朝日新聞の朝刊に汚染土の99%は再利用可能という国の見解が報じられていた。 当該の汚染度が仮保管されている自治体は最終処分地の押しつけにつながるとして一斉に反発しているようだが、汚染土の処分にもたついていれば99%どころかほぼ100%が一般廃土になってしまう可能性すらある。
それは、重金属汚染とは異なり、放射性元素は時間とともに減少してゆくからだ。 放射性元素はすべて、時間とともに放射線を出しながら変化して最終的には放射性がない安定元素になる。 変化の早さは元素(正確には核種)によって異なるが、その早さは半減期という数字で表される。 半減期が短いほど減少するのが早く、放射線強度が弱まるが早い事を意味する。 汚染土にはいくつかの種類の放射性元素が含まれているが、その半減期を加重平均すれば汚染土全体の半減期が計算できる。 そしてそれによって、汚染土の放射線強度が許容限界以下に下がる時期も分かる事になる。 いずれにしても処分にもたついていれば、その間に処理の必要がなくなる汚染度が増える事になる。
除染の際、実際に汚染されているのが数mmの深さまでであっても「念のため」数十cmまで除去している様なので、貯蔵されている汚染土の放射線量はかなり薄まっているだろう。 下層の土と混合されたために許容限界以下まで薄められているものも現時点で相当量あるだろうし、許容限度を数十%超えていたとしても、十年も経てば許容限度以下に下がってしまうものが多数出る可能性はある。 定期的に仕分けをして、放射線強度が許容限度以下に下がっているものは一般の盛り土用土として使い、特別の処分が必要な土の量を減らす努力はすべきだと私は考える。 量が減れば処分法の選定も、処分地の選定も楽になるからだ。 さもなければ永久に最終処分ができないことになる可能性が高い。
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