地滑りによる津波
先日インドネシアで起きた津波は、噴火で起きた火山の山体崩壊が原因だと言われている。
崩壊した火山は、19世紀末に史上最悪の一つと言われる巨大噴火を起こしたクラカタウ(クラカトア)火山の後にできた、「クラカタウの息子」と呼ばれる火山だ。 この火山は、19世紀の噴火で火山島の大部分が崩壊した後のクレーターにその後の活動でできた小さな火山島で、それが今回の噴火で再び崩壊したものらしい。 今回の噴火でこのような被害が出ていることから考えると、19世紀の巨大噴火でも津波が発生したはずで、その被害はすさまじいものだったに違いない。
今回の津波同様の噴火に伴う山体崩壊による津波は日本でも記録があり、江戸時代には雲仙岳と蝦夷駒ヶ岳の山体崩壊による有明海と噴火湾での津波が記録に残っている。 歴史上の記録はなくても、海際の火山や火山島あるいは海底火山ではどこででも発生する可能性はある事は記憶しておくべきだろう。 また山体崩壊は無くとも、明神礁の噴火で調査船が沈没したように海底噴火で小規模の津波が起きる可能性もある。
外国の例では、ハワイには海底地滑りで発生した津波が標高100m付近まで駆け上がった痕跡もあるそうだ。 この海底地滑りが地震によるものか噴火によるものかは明らかではないが、プレート活動以外でもそのような巨大な津波が起きることもあると言うことは知っておくべきだろう。
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