伊方原発
伊方原発の運転禁止を命じた仮処分が上級審で取り消されたが、取り消しの理由はまあまあ妥当に思える。
なぜならば、原告が主張するような巨大噴火が阿蘇山で数十年以内に起きる可能性があるならば、九州のほぼ全域と四国と中国地方の西部が火砕流に襲われると同じ専門家が予想しているので、その地域を無人化しなければならない。 まして数十年以内に発生する可能性が高いとなれば、直ちに住人や企業の移住を始めなければならない。 膨大な住民の命が直接的に危険にさらされるからだ。
そして、そんな大移住は移住先の土地の確保や生活が安定するまでの経済支援システムの確立などが必要になるので、数年では始めることも難しいだろう。 その必要が無いのであれば、直ちに巨大噴火による原発の損傷を考える必要も無いことになる。 今回の仮処分取消判決はその矛盾を突いているのだ。
と言うわけで原告の主張には非常な無理があり、判決理由は妥当な物と言える。 巨大噴火には、巨大なマグマだまりの形成などそれ相応の前駆現象があるはずだ。 巨大噴火に備える原発の停止は、巨大噴火の前兆がとらえられてからでも十分間に合う。 間に合わないのは数百万に上る住民避難の方だ。
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