高潮と高波の違い
高潮と高波は言葉が似ているので区別できない人が多いようだ。
あの池上彰氏でも言葉の上でしか理解できていないようで、2018/09/07の池上彰スペシャルで、高知県の漁港の防波堤に打ち付ける高波の写真を見せて高潮の写真だと説明していた。 だがこの写真は9月4日に共同通信社が配信した高知県の安芸漁港の防波堤に打ち付ける高波の画像で、防波堤に建つ赤灯台の何倍もの高さに達する巨大な波しぶきが実に印象的なものだ。
しかし高潮はこのように打ち付けてくるものではなく、台風の接近につれて海面がゆっくりと盛り上がってくる現象だ。 今回の高波でも、神戸港では時間ほどかけて1m以上潮位が上昇している。 これにさらに高波が加わると、波が簡単に防潮堤を乗り越えて建物などを破壊することはあるが、高潮被害の中心は氾濫による浸水だ。
今回、高潮の被害が最も多かった神戸から西宮にかけて撮影された高潮の画像を見ても、台風の目に入った頃のものが多いためか大きな波は移っていない。 むしろ穏やかな海面をコンテナーなどがゆっくりと流されていくといったものが多い。 高潮は波では無く潮の満ち干の範疇に属するもので、高波や津波のような波となって押し寄せてくるものではないからだ。
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