山か丘か?
「ウエールズの最初の山」という小説があるが、CNNジャパンのサイトにそれを彷彿足させる記事がのっている。
記事;「英ウェールズの山、精密な測量で「丘」に格下げ 標高差が足りず」2018.08.19 Sun posted at 10:52 JST
映画では「ウエールズの山」となっているようだが、小説はイングランドとの境界に近い「山」が本当に山の条件を満たしているかどうか測量にやってきた測量技師と、あくまで山の地位を守ろうとする地元の村民との攻防が語られている。 この小説ではイングランドからウエールズに入って最初に出会うそれを村人は「ウエールズの最初の山」として自慢にしてきた。 しかし、測量技師から高さが数メートル不足しているので山とは認められないと告げられた村人が総出で山の頂に土を積み上げて必要な高さを満足させようとする。 もちろんそれでは正しい高さとは認められないのだが、村人の熱意にうたれた測量技師は積み上げた塚の頂を山頂であることにして帰って行く。
しかし今回のニュースはその逆で、これまで山と認められていた「バン・イ・ビッグ」が人工衛星を用いた精密測量で山の条件を満たしていないと判明し、山から丘に格下げされたのだという。 記事によると測量の結果標高は717.6mで610m以上という条件を満たしているが、隣の峰に連なる鞍部との標高差が28.5mで30m以上というもう一つの条件を満たしていなかったのだそうだ。
この記事を読んで、地元の人が決定前にそれを聞いていればわずか1.5mを削って条件を満たしていたかもしれないと思ってしまった。 村人総出で一夜のうちに鞍部を削ってしまうぐらいは、郷土愛が強いウエールズの人ならやりかねないと思うのは私だけだろうか。
ところで、山の定義が異なる日本では標高が1mや6mの山があると聞いたら、英国の人々はどう思うのだろうかと興味がわいてきた。
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