地熱発電で地震?
昨年の韓国での地震は、地熱発電のために地下に水を圧入したことが原因で断層が動いた可能性が高いという論文が発表された。
異論もあるようだが、地下に水を圧入したことで地震が起きたのではと疑われている例は他にもある。 また、温暖化対策の解決策としてスペイン沖の廃ガス田に炭酸ガスの地下貯蔵実験を行ったところ、小さな地震が多発したため炭酸ガスの注入が中止されたと言う例もある。
また、遙か昔の「チャーリーズ・エンジェル」にカリフォルニアのサン・アンドレアス断層に大量の水を注入して大地震を起こさせることを企む話もあった。
このように、地下への大量の水圧入や自然原因による地下水の急増が地震を誘発するという考えは古くかあらあるようだ。 断層の近くで地下に大量の水を注入する場合は慎重に取り組むことが必要だと言うことだろう。
それにしても不勉強で、地熱発電で高圧蒸気を得るために地下に水を圧入するというのは知らなかった。 火山国の日本では、地熱発電を大規模に利用すべきという意見もあるが、ニュージーランドの事例から蒸気の短期での枯渇や温泉の枯渇などが心配されている。 地下に水を注入することで蒸気の枯渇を防ごうとするのだろう。
ただ、日本の温泉の大半は道後温泉や有馬温泉のように断層の近くにあるものや、草津温泉や箱根の温泉群など火山の近くにあるものが多い。 このため地震だけではなく火山の水蒸気噴火を引き起こす可能性も考えねばならないので、枯渇防止のために大量の水を注入する場合には慎重に検討を行う必要があるだろう。
いっそのこと、地下に下ろせる小型の超高効率の熱交換器を作り、その中に水を送って加熱する方が安全だろう。 そうすれば、温泉の枯渇への影響も少ないかもしれない。
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