トランプ氏は臆病者
中国とロシアは、トランプ氏は臆病者で強面はそれを隠すためのものと見定めたようだ。それであれば「北朝鮮の脅威」に怯えさせておく方が、米国をコントロールして世界を自分たちに都合の良い方向に動かすのに都合がよいと考えているのだろう。
トランプ氏は口ではいろいろ言うが実行力は無い。それは米国内をまとめることができないからだ。もし北朝鮮に軍事侵攻するのであれば、中東とは異なり米国軍を大量投入しなければならない。中国とロシアが介入を控えようと思うぐらいの大軍が必要だ。数十万の陸上部隊をいつでも動員できる中国に介入をためらわせるには、数十万の大軍を短時間に奇襲的に投入し、中国が体制を整えるまでの数日で北朝鮮全土を制圧しなければならない。しかし、中国に察知されずにそんな準備をすることは今の米軍には不可能だ。また準備ができたとしても短時間にそんな大軍を送り込む手段が無い。
また、北朝鮮の主要施設は地下に分散されており、これを全て通常弾頭のミサイルで破壊しようとすれば何発必要なのか見当も付かない。それは空爆でも同じだ。従って遠距離攻撃の奇襲だけで北朝鮮を制圧することも不可能だ。米国が保有する核兵器を大量に投入する先制攻撃であれば可能かもしれないが、それは核汚染の被害を受ける韓国と日本が受け入れない。
近年、米軍は自軍の兵士の死傷を恐れて遠隔地から行う自動化戦争に力を入れてきたが、それでは小規模のゲリラの根拠地を潰すくらいのことはできるが、準備を整えた国家に対する全面戦争では役に立たない。やはり人間の兵士がその場に行って自分の手と足で戦わねばならない。しかしそうすれば自軍の兵士に死傷者が出るのは避けられないが、米国のママたちはそれを許さない。
ベトナム戦争で米国が負けた要因の一つは、ママたちが自分の息子たちが次々と死んで行くのを見て撤退を要求したことだ。その心理は今も全く変わっていない。そしてそれを変える力はトランプ氏には無い。
故に米軍は第二次朝鮮戦争には勝てないのだ。北朝鮮も中ロもそれを見極めているが故の挑発だ。トランプ氏に自分たちの言うことを聞くよう、北朝鮮を利用して圧力をかけていると言ってもよい。中ロは、世界を自分たちの思い通りに変えられる絶好の機会と考えているだろう。
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