日本人ゴルファーが国外で勝てない理由
帰国した石川遼が優勝して再びメディアがもてはやそうとしているが、残念ながらこれではまた彼は米国での活躍が期待できなくなった。
日本で圧倒的に強いゴルファーが国外の試合で勝手内理由ははっきりしている。それは日本のゴルフコースが特殊だからだ。欧米のトーナメントコースは、真に技量のあるプレーヤーで無ければ勝てないよう、フェアウエイは狭く、ラフは深く、そしてグリーンは堅く傾斜が強く作られている。このため、セッターが要求するとおりに正確にゲームを進める技量が無ければ好成績は望めない。特に、ただ飛距離が出るだけのプレーヤーには厳しく作られている。かつての名プレーヤーの言葉通り「ドライバー イズ ショウ、パット イズ マネー」なのだ。
しかし日本のコースはギャラリー入場料収入を目当てに、人気ゴルファーが最終日に確実に残れるようにコースが調整される。人気プレーヤーの多くが予選落ちしては、最終日のギャラリー数が確実に減少するからだ。これは尾崎将司が人気を集めた時代からすでに始まり、今は石川遼というわけだ。
韓国人プレーヤーが圧倒的な強さを誇る女子プロゴルフも似たような状況だが、外国人プレーヤーがほとんどいない男子とは異なり、日本人人気プレーヤーを勝たせようとしても、技量で上回る韓国人プレーヤーに勝たれてしまうためどうにもならない。しかし皮肉なことに、日本で圧倒的に強い韓国人プレーヤーは、日本の特殊なコースにプレースタイルをきちんと合わせこんでいるために、欧米のコースでは勝てない。
と言うわけで、日本人プレーヤーが国外のトーナメントで活躍できるようにしたければ、コースを欧米流に調整すべきだ。しかし、日本人人気プレーヤーの国外流出を恐れる協会と有力スポンサーは、現状維持を望んでいるようだ。
これが続く限り、日本人プレーヤーがマスターズや全英オープンで活躍する日はやってきそうも無い。
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