前照灯二題
この数日、車の前照灯に関する話題が二件有った。
一つはハイビームとロービームの使い分けに関するもので。ハイビームにしていれば防止できた歩行者死亡事故が多数あると言う報道だ。
読売新聞記事;「ハイビーム使用を…横断死亡96%が「下向き」」
2016年09月21日 07時48分
これは、歩行者横断事故の96%がロービームで起きており、ハイビームであれば大部分は防げたはずと言うものだ。しかしながら、市街地を走行する車のほぼ全てがロービームにしているだろう。これは対向車がある場合にロービームにせよと教えられているので、絶え間なく対向車がある市街地ではハイビームにする間が無いので、常時ロービームにする習慣がついているためだ。このため、対向車が無くハイビームでも走れる場合もロービームのままという運転者が大部分だろう。
しかし記事にあるとおり、ハイビームはロービームの2倍以上の照射距離があり、街路照明が無いかあるいは暗い場合に歩行者や障害物を見つけやすい。頻繁に切り替えるのは面倒だが、条件に応じて切り替えて走行すべきなのだろう。
私も、市街地で街灯の照明範囲の陰になっている部分に黒い服装の人が立っているのに、至近距離まで気づかずにいてひやりとしたことがある。このときは頻繁に対向車がいてロービームで走行していたのだが、こまめにハイビームにしていれば早く気づいたかもしれない。
二つ目は、前照灯の自動点灯システムを義務づけるという記事だ。
朝日新聞記事;「高齢者の事故、日没時に集中 車の自動点灯で防止狙う」
2016年9月22日19時25分
「高齢者の事故、日没時に集中 車の自動点灯で防止狙う」
2016年9月22日19時25分
これは高齢歩行者の死亡事故を調べると、日没時に集中しているとの調査結果によるものだそうだ。
車のヘッドライトには前方を照明するという役目のほかに、自分の存在を他の車両や歩行者に教えるという機能がある。一部の車で行われている明るい日中の点灯はあまり効果が無いが、薄暮時の物の形が見極めにくい時間帯に点灯することは大きな効果があるだろう。特に明暗に順応する能力が低下する高齢者にとって、車が接近していることを認知しやすくすることは事故防止に大きな効果があるだろう。この点で自動点灯システムの義務化は大いに意味があるだろう。
ついでに言えば、トンネル内の点灯も前方を走行している車に自分の存在を教える点で重要だ。最近のトンネルは照明が明るいので前照灯は不要と考えて点灯しないドライバーや点灯し忘れて走行しているドライバーも少なくない。しかし車の色によっては認識しにくくごく近くに来るまで接近に気づかない可能性もある。また、後続車の前照灯で後方が見にくい場合も気づくのが遅れる可能性がある。だから、自社の存在を前方の車に教えるために点灯することは重要だ。ただし、先行車のドライバーの目を眩ませないためにロービーにすることはお忘れ無く。
私の19年物の車にも点灯レバーの三番目の位置に自動点灯が有る。これは暗い場所で自動点灯するので頻繁にトンネルを出入りする場合に重宝しているが、時折セットするのを忘れる。記事のように、基本自動点灯が正解だろう。
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