中央卸売市場移転問題
次から次へと問題が浮上して袋だたき状態になりかけている卸売市場移転問題。
もっとも今度の土盛り問題は、説明通りにしなかった嘘だと言うより当初の説明が不十分だったため揚げ足を取られたという性格が強い。なぜならば、表土入れ替えと盛り土の合計深さの4.5mより、建造する建物の基礎工事の掘削深さ(軟弱地盤のため10m以上は掘り下げるだろう。)の方が遙かに深いため、盛り土をしても全て除去されてしまうので意味が無いからだ。
そのため、おそらく担当者はそんな自明のことを説明する必要は無いと考えたのだろう。しかし重箱の隅をつついても揚げ足取りをしたいメディアは、そんな自明のことでも説明すべきだったとして非難しているのだ。
これは学校や職場でのいじめにも通じることだが、「いじめ始めたらとことんのいじめろ。自殺しても我々の責任では無い。」と言う今の世の中の風潮を背景にしている。
それはそれとして、流布している情報からはこのまま移転しても業者たちの業務が円滑に行えない点が多く、操業しながらの改修を行う必要があり、改修しなければ業者に多くの負担を強いることになるようだ。また、それらを理由に移転を延期すれば、業者が新市場で使用するための設備を発注済みで、その代価を支払わねばならないと言う問題がある。支払いを強要すれば発注した業者が困るし、支払い繰り延べを認めれば設備を納入する業者が困る。つまり移転推進派と移転延期派は、施設の欠陥と発注済み設備代価の支払い、この二つの問題の兼ね合いで分かれているのだ。
どちらにしても、都には補償や追加工事費用の負担が求められるだろう。わかりきったことだからと、説明を省略したことが高いものにつきそうだ。
これは東京オリンピック問題にも同じ構図が見て取れる。むしろそちらの方が悪質かもしれない。
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