働かない事も必要
蟻の巣には働かずにぶらぶらしている蟻が一定割合でいるそうだ。無駄に見える働かない蟻(働かず蟻?)がなぜいるのかが謎だったが、今回北大等の研究グループがそれを解明したという。
読売新聞記事;「働かない働きアリ 集団存続に必要 働きアリだけは滅びる」
毎日新聞2016年2月16日 19時54分(最終更新 2月16日 20時58分)
それによると、働いていた蟻が疲れて休むと代わって働かずにいた蟻が働き始めるのだそうだ。働かない蟻が全くいないと全ての働き蟻が同時に疲れて働けなくなり、巣が衰退するのだという。つまり働かない蟻は、先発メンバーが疲れて動きが悪くなると交代して投入される、サッカーやバスケットボール等の控え選手あるいは野球のリリーフ投手のような存在だと言える。後を引き受けてくれる控え選手がいれば、先発選手は疲労をいとわずに活躍出来る。逆に、控え選手がいなければ体力を温存しながらプレーしなければならない。つまりチーム全体の能力が全く変わってしまうことになる。
同じ事は会社などの組織についても言えそうだ。モーレツ社員しかいない組織では、彼らが疲れると機能が停止してしまう。彼らが回復するまで持ちこたえられれば良いが、そうで無ければ組織が崩壊してしまう。
つまり組織を常に良い状態に維持するためには、人的余裕を持つことが必要だと言うことだ。平時はぶらぶらしていて緊急時に出動する遊軍を置いておくか、あるいは全員を全力で働かせるのではなく常に余力を残した状態を保つかするべきだと言う事になる。
これは社員を効率よく働かせる、いわゆる優秀な経営者には受け入れにくいかもしれない。しかし組織運営上必要な事なのだろう。派遣社員を使えば良いという考え方もあるが、派遣社員と自社社員では組織維持のために期待できる貢献度が全く異なる。
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