中学校の体育祭で行われる組み体操での事故が頻発しているため、自治体によっては規制を始めているそうだ。
特に事故が多いのは塔やピラミッドの崩壊事故で、段数を制限するなどの規制が始まっていると言う。事故の原因は段数が増加すると、最下段にどのような荷重がかかるのかを正しく考えていない事にあるように思える。そこでそれを計算してみた。
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(図をクリックすると大きなサイズの図が別ウインドウで表示されます。 数字は最小桁まで使って計算し、最後に少数以下3桁目を四捨五入して記載。)
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計算は上から順次加算する形で行った。赤字がその段のメンバーにかかる荷重で、これに本人分を加えて2で割ったものが次の段の二人への荷重(黒字)となる。下の段は上の二人から2分の1ずつの荷重を受ける事になる。
計算してみると各段の中央にかかる荷重が非常に大きく、中学3年生男子の平均体重54kgを適用すると、総重量は2,970kgで10段目中央の二人にかかる荷重は400kg近くになる。これでは体格の良い中学生でも長くは持ちこたえられないだろう。
これから考えると、荷重を計算せずに見た目の派手さだけを考えて段数を増やした、教員達の軽率さが原因とみて良いだろう。その意味で、無理な組み体操をやらせた無謀な教員達は過失傷害罪に問われても致し方ないと考える。
これは俵積みの場合だが、ピラミッドの場合も同様の手順で計算できる。そのメンバーにかかる上からの荷重と本人の体重との合計の四分の一が下の段の四人のメンバーのそれぞれにかかる荷重として計算すればよい。
実際に計算してみると、十段の場合最下段の中心部四人にかかる荷重はそれぞれ約6.51人分となり、平均体重をかけると約350kgとなる。やはり中三の男子が支えるには過大な荷重と言わざるを得ない。
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