除菌が子供の病気の原因?
日本では除菌商品が大流行している。ところが除菌のしすぎが健康を損なうかもしれないと言う研究報告が少なくない。その代表的なものは腸内細菌と健康との関連だ。
腸内細菌は「善玉菌」・「悪玉菌」という形で健康食品の宣伝に利用されている。しかし、全ての菌は何らかの意味があって腸内に住まわせて管理しているので、厳密な意味で善玉菌と悪玉菌を区別することは困難だ。また、そもそも腸内細菌はそのごく一部しか同定(菌の種類を決めること)されていない。そして既に知られているものの多くは環境常在菌と言って、生活環境に普通に存在しているものだ。言い換えると、生活環境に存在する菌は口から入っても基本的に害は無い。それどころか、何らかの病気で抗生物質を服用すると腸内細菌も死ぬので、腸内細菌は数も種類も偏った状態になる。これを平常に戻すにはそれらの菌の種を経口摂取する必要がある。
このような腸内細菌のバランスが崩れたままに放置すると、様々な心身の障害が起きることが最近の研究で明らかになり始め、本日のAFPサイトには次のような研究が紹介されている。
AFP記事;「子どものぜんそく、腸内細菌の不足に関連か カナダ研究」
2015年10月01日 09:44 発信地:マイアミ/米国
これによると、新生児の生後100日までに腸内に取り込んだ最近の種類によって、それがぜんそくなどのアレルギー病の原因になるのだそうだ。
また過去に発表された研究でも、腸内細菌の種類によって性格が影響され、鬱の原因にもなる等というものがある。また、人間の性格を支配する寄生虫(原虫類)があり、これが寄生すると恐怖心が薄れて行動が積極的になるのだそうだ。
あなたがもし乳幼児を育てていて、将来健康で積極的な性格になって社会的に成功して欲しいと願うのであれば、除菌のやり過ぎは有害かもしれない。むしろ土埃にまみれて遊ぶ方が良いのかもしれない。少なくとも、子供の無菌培養は肉体的にも精神的にも良くないだろう。
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