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October 2015

October 31, 2015

インフレ率達成は先送り

朝日新聞が10/31朝刊に日銀の黒田総裁のインタビュー記事を載せている。同じ記事はWebサイトでも見ることが出来る。

これによると、インフレ目標の達成は2016/後半に先送りされるという。原油などの燃料の国際価格下落等の外的要因が原因で、安倍内閣の政策が原因ではないという。ただし、追加緩和の見送りは内閣の意向による物であるとも言っている。

私が先の記事に書いたように、追加緩和はアベノミクスが失敗したと受け取られかねないので、安倍内閣が大規模な金融緩和の追加を嫌った事は十分に推察できる。

元々、安倍内閣の「インフレになれば景気が良くなる」という考えが的外れで、インフレ率を目標に据えたことが誤りと言って良い。それは物価は外的要因の影響を受けやすいと言うだけでなく、一般労働者の所得増加がインフレを上回らなくければ当然消費が冷え込むからだ。消費が冷え込めば家計支出は減少し、低価格品の比率が増えて統計上の物価は下がる。

そこで現状を見ると、所得が増えないうちからインフレを目標に掲げたことが消費者心理を冷え込みやすくしている。要するに目標の選定を誤ったと言う事だ。

それならばどうすれば良かったのか?それは池田内閣の所得倍増政策ではないが、「勤労者所得を10%増加させる」など、今後所得が増えるのだと言う印象を与える目標を掲げるべきだったのだ。これなら少し所得が増えれば今後さらに増えると期待して消費も増えるだろう。物価が上がらなくても、消費が増えれば景気は良くなる。

逆に所得が増えるより先に物価を上げると言えば、所得が増えるまで待とうと言うことになり、当然消費は増えない。従って景気はなかなか上昇しない事になる。これが安倍内閣の目標選択誤っていたという理由だ。

October 28, 2015

ロンドンタクシーがEVに

ロンドンのタクシーの後継車TX5が発表されたが、これはEVになるそうだ。

AFP記事;「英ロンドン名物「黒タク」、電気自動車モデル公開
          2015年10月26日 20:56 発信地:ロンドン/英国

記事によると「TX5は2017年末までに英国で導入され、2018年に世界各国で発売される予定。」とのこと。

トヨタも新型のタクシー用車両を発表した。

朝日新聞記事;「新型タクシーはワゴン トヨタ、20年ぶりの刷新
                       2015年10月27日07時33分

記事によると、これは「クラウンコンフォート」に代わるもので高齢者にも乗降が楽なように車高が高く、ドアもスライド式になるという。外観は2ボックスワゴン型でロンドンタクシーに似ているようだ。ただしこちらはLPG燃料のハイブリッドだそうだ。

先に発表されている日産のNV200タクシーはミニバン型で、ニューヨークでの採用が決まっているそうだが、こちらは燃料としてガソリンとLPGの両方を切り替えて使うとのこと。

October 27, 2015

肉を食べると癌になる?!

WHOが肉製品を食べると癌のリスクが増えるという報告書を出したことを、西欧のメディアが大々的に報じている。

WHOの報告書の詳細はまだ見ていないが、肉製品に添加されている亜硝酸塩が大腸癌などの消化器系癌の原因になるため、肉の加工品を食べると癌が増えると言う事のようだ。このようなリスクを避けるためには、一日あたり食べる量を50gいかにする事を勧告している。これはベーコンで言えば2枚に相当するのだそうで、肉をたくさん食べる西欧の人たちとってはあまりにも少ないと思えるだろう。

また、WHOは未加工の赤身肉も発癌性がある可能性があるとしているが、これは直火で焼くと燃焼で生じた亜硝酸が付着して発がん物質(ニトロソアミンなど)が生ずるからということで、赤身肉そのものに発癌性があるというわけではないらしい。

霜降り肉は含まれる脂肪分が循環系に有害との説を信じる人が多い西欧では、赤身肉も有害と言われると「肉を食べるなと言うことか?」という不満が出るだろう。その結果、WHOのこの報告は多くの人に無視されることになりそうだ。人は自分に都合が良い説はすぐに信じるが、都合の悪い説は信じず無視する傾向が強いからだ。

いずれにしても、WHOを含む多くの機関や学者から「あれが有害、これも有害」との研究結果が無数に発表されている。それらの全てに従うとそれこそ食べるものがなくなってしまう。空気だけでは生きられないので、神経質にならずに多種のジャンルの食物を少しずつ、偏らずに食べるのが良いと言うことだろう。

October 26, 2015

イラク侵攻は誤り

英国のブレア元首相がイラク侵攻は誤りだったと述べたと報じられている。

記事;CNN「イラク進攻は「誤りだった」、ブレア元英首相が謝罪」
              2015.10.26 Mon posted at 10:18 JST

この記事によると、イラク侵攻は誤った情報に基づいたもので結果としてアルカイダやイスラム国の台頭を招いたと述べたという。

私もイラク侵攻によるサダム政権の穂絵画がイスラムの春の引き金となり、それによる宗派や権力を望む様々な勢力間の軍事抗争がアルカイダやイスラム国がつけ込む隙を作ったと考えている。さらに言えば、イラク侵攻は湾岸戦争でサダム・フセインを殺さなかったことで腰抜けとの誹りを受けた父ブッシュ大統領の汚名を濯ぐことを望んだ、ジュニアブッシュ大統領が行ったブッシュ家の戦争だと思っている。

その意味で、現在のシリアやイラクの混乱の責任はブッシュ家にあり、ブッシュ家はヨーロッパに大量に流れ込んでいる難民に関しても責任がある。

October 24, 2015

記録破り

観測史上最強と言われるハリケーンがメキシコを襲っている。これに限らず、今年は記録的な、あるいは観測開始以来最強と言われた熱帯性暴風が幾つもあった。

原因はエルニーニョが過去に例がないほど大規模に拡がって熱帯海域の水温が高いからだと言われている。また、今年の夏の世界の平均気温は過去4,000年で最高だったとも報じられている。否定論者の教鞭にもかかわらず、温暖化は確実に進行しているようだ。

こうした現象の拡大を食い止めようと温暖化ガス削減に関する会議が開かれているが、既得権を守ろうとする先進工業国と、今後の経済発展を阻害しない為に先進工業国より有利な条件を勝ち取ろうとする途上国との間の対立が厳しく、会議の先行きが危ぶまれている。

また、原子力発電廃止を口実に炭酸ガス削減に消極的で、なおかつ炭酸ガス放出量の多い石炭火力発電所を建設し、輸出もしようとしている日本への風当たりが強くなってきている。今後も日本が火力発電所を新設しようとすれば、袋だたきに合うかもしれない。

維新自滅?

ここに来て程度の低い派閥抗争を繰り広げている維新。元代表や離党者まで入り乱れ、手段を選ばぬ大乱戦。これにはあきれるしかない。

このまま行けば選挙で候補も立てられず、自滅で消滅にもなりかねない。と言う事はわかっていないんでしょうかねぇ。

October 23, 2015

奇妙なニュース;ウナギが人を襲った?

CNN-Japanが奇妙なニュースを報じている。それはワイキキ沖でウナギにかまれて重傷を負った人がいると言うものだ。

CNN記事;「ワイキキ沖で「ウナギ」に噛まれる? 男性重傷 米ハワイ
                2015.10.22 Thu posted at 19:47 JST

さすがにCNNも疑問符をつけているが、傷の手当てをした医師の「傷跡はウナギの噛んだ跡に合致している」という談話を添えている。

普段ウナギを食べてなじみが深い日本人にはにわかに信じがたい話だ。人に噛みついて重傷を負わせるとはどんな巨大なウナギなのだろうか。

もっとも一つ考えられるのは「ウナギ」と翻訳された元の単語が「eel」である場合だ。「eel」がさすのはウナギばかりでなく、海に棲むアナゴやハモ、さらにはウツボなども含まれる。つまり「eel」はウナギに似た体型の魚一般をさす言葉だ。水族館で人気のチンアナゴ類も英語では「garden eel」と呼ばれている。

原文を確認したいのだが、今のところCNN-USA内には見つからない。

追記;
Yahoo USA で検索したところ、この事件に関連する記事がいくつか見つかったが、これらでは全て単語「eel」が用いられている。

CNN-USAの元記事は恐らく下記で、CNN-Japanの記事はこれを要約した物と思われる。
2 animal bites reported in Hawaii -- 1 shark, 1 eel
        by Andreas Preuss, CNN
          Updated 0612 GMT (1312 HKT) October 19, 2015

付け加えると、Yahoo-USAで「HAWAI eel」を検索するとウツボ類の写真がたくさん出て来る。おそらく被害者を診察した医師の「eel」はウツボを念頭に置いていた物だと思われる。日本のウツボは、目の前に手を突き出したり、手づかみにしようとしたりしなければまずかまれることはないが、ハワイには人間を餌と思うほど巨大なウツボがいるのかもしれない。

追記;
2015/10/23 21:30現在、見出しと記事が下記のように訂正されている。
見出し;「ワイキキ沖で男性重傷、噛んだ生き物は? 米ハワイ」に訂正されている。
本文:「ウナギ」から「ウナギ目の魚(イール)」、「イール」に訂正されている。

October 22, 2015

ロータリーエンジン復活?

マツダが新スポーツカーの発表をするようで、ロータリーエンジン車の復活かという向きもあるらしい。ロータリーエンジン車が消えたのは燃費の悪さが原因と言われているが、サイズに比較して高出力で反応も良い点を懐かしむ声も多い。

ところで、ロータリーエンジンの燃費の悪さも出力を基準に考えるとさほどでもないかもしれない。しかしながらエンジンの効率は運転条件によって大きく異なる。そこで、もっとも効率が良い条件でのみ運転する事が可能な用途ではどうだろう。

効率を稼ぐためには、最高の効率が得られる一定の負荷と回転数でのみ運転すれば良い。それが出来る用途として代表的なものは発電機だろう。特に、体積の割に出力が大きく、形状が円筒に近いロータリーエンジンはコンパクトな発電ユニットを作るのに適している。

そこで、発電した電気を蓄電池に蓄え、蓄えた電力でモーターを回して走る様なコンポジット動力車に使うのはどうだろう。燃料は当面はLNGを、将来は水素を使えば良い。

シリア内戦の構図


シリア内戦に関与している各勢力の関係を整理してみた。

ロシアははっきりとアサド政権の支援と言明しており、イランもはっきりとは言明していないがアサド政権支援の立場。

トルコは対テロリスト攻撃と称して、イスラム国とクルド族の両方を攻撃している。アサド政権側も攻撃はしているのかもしれないが、全体としてはクルド族攻撃の口実のようにも見える。

イスラム系反政府勢力はイスラム国との関係が曖昧で、一部はアサド政権側を攻撃しながら、イスラム国を支援または協調しているように見える。その一環として、米国からの支援で入手した武器をイスラム国に横流ししている勢力がある。

ブランド物ワインが消滅の危機?

先日見ていたBSワールドニュースで、温暖化のためブランド物ワインが消滅の危機にあると伝えていた。

その理由は、ボルドーなどのフランスのワイン産地の夏の気温が高くなりすぎて、従来ブランド物ワインの生産に用いられてきた品種の品質が変化しているのだそうだ。このためこれらの地域では、従来と同じ良質のワインが作れなくなってきているという。そこで産地では、イタリアやギリシャなどの南ヨーロッパで栽培されてきた暑さに強い品種に切り替えようとしているそうだ。

しかしフランスの法律では、ブランド毎に産地と使用するブドウの品種が厳密に定められているので、その様な品種ではブランド物のワインを作れない。このため、フランスのブランド物のワインの一部が消滅しかねない状態だそうだ。

一方で、温暖化によりブドウ栽培の北限が拡がり、今やスカンジナビア半島の南部でもワインの生産が始まっているという。温暖化によって、ワイン産地の地図が大きく変わりつつあるようだ。

October 20, 2015

米国でドローン登録制へ

CNN記事;「米運輸省、ドローン登録義務付けへ作業部会立ち上げ
               2015.10.20 Tue posted at 11:20 JST

様々な場所でドローンがトラブルを引き起こしているが、米国ではドローンを登録制にする為の検討が開始された。これによってトラブルを引き起こした操縦者を特定して法的に処罰しやすくする事を目指している。

日本を含む他国でも、米国の制度にならって規制がかかることは避けられないだろう。そうならないためには「日本の操縦者は十分に自制心があるのでトラブルは起きていない。だから規制は不要だ。」と言わせる努力が求められるが、現状を見るとそんなことは期待できそうもない。

October 19, 2015

後援者へのカレンダー配布

後援者にカレンダーを配ったのは公選法違反だと島尻氏を非難する動きがある。

確かに公選法では地元の有権者に金品を配ることが禁じられている。しかしここで金品というのは、法の精神では有価物と言う事だろう。デカデカと顔写真をのせたポスターの片側に小さくカレンダーを付け足したものが、果たして有価物と言えるのか疑問だ。今回の騒ぎで有名になったので、オークションで高値をつける者がいるかもしれないが、それをもって有価というのは疑問だ。

October 17, 2015

冥王星に宇宙人の足あと?

NASAからまた新しい冥王星の画像が公開された。

NASA記事;「Pluto’s Puzzling Patterns and Pits」Oct. 17, 2015

これを見ると新雪の上の足跡のように見える。ここの穴は直径数百メートル深さ数十メートルあるのだそうだが、まるで巨大な宇宙生物が歩き回ったかのようだ。科学者達はこれは窒素などで出来た氷が溶けて蒸発した痕だと考えているそうだが、宇宙人マニアが面白がって騒ぎ立てるのは必定だ。

October 16, 2015

老化防止サプリに癌転移促進効果が

老化防止に効果があるとして宣伝されている「抗酸化サプリメント」に皮膚癌の転移を促進する作用があるとの研究結果が発表されたと報じられている。

AFP記事;「抗酸化サプリにがん転移促進作用か、マウス実験 米研究
            2015年10月15日 16:20 発信地:パリ/フランス

この記事によると、悪性黒色腫(メラノーマ)のマウスに抗酸化作用がある「N-アセチルシスティン」を注射したところ、注射しない場合よりも転移が早い例が見られたという。他にも「ビタミンEを含む抗酸化作用物質」にがん細胞の増殖を促進する作用があることが幾つか報告されているそうだ。

研究チームは、癌患者は抗酸化作用のあるサプリで栄養を補うべきではないとしているとのこと。

October 15, 2015

恥の上塗り

南京事件の記憶遺産登録を巡って、安倍氏と彼に近い自民党筋から分担金の支払い停止や脱退の主張が出ている。しかし海外の反応は冷ややかだ。

ロシアからは、南京事件の登録申請は日本がシベリア抑留を登録しようとしたことがきっかけになったとので、政治利用は日本が始めたことだと言うコメントが出る始末。

国際的に見れば、日本が騒げば騒ぐほど恥の上塗りになるのだが、外交無知の安倍内閣には理解困難なことなのだろう。

October 14, 2015

バブルの後に

9月の中国の生産者物価が大幅に下落したと報じられている。消費者物価は僅かな上昇でバブルインフレの収束が明らかだ。

バブルが起きれば旺盛な需要によって急速なインフレが起きるが、バブルが終われば実体経済に比較して上がりすぎた物価の調整が始まる。これがバブル後のデフレだが、これを通じて物価と成長の間の調整が行われるので、バブルから堅実な成長への移行には通らなければならない過程だ。

バブルから堅実な成長への移行に当たっては慎重な経済運営が求められる。調節開始が遅れて投機経済と実体経済の乖離大きくなると、急激な自発的減速がおきるため軟着陸は不可能になる。さらに、軟着陸に失敗するとそれによって生じた混乱を収束するのに長期間が必要になる。軟着陸するには自動車運転と同じ「早めのブレーキ」が望まれる。

中国はバブルの最終版にさしかかっており、バブルインフレで上がりすぎた物価の調整段階にある。この調整過程がどのようなものになるかを予測するには、バブル経済と実体経済の乖離がどのような物であったかを見極める必要がある。それが出来ればバブル後デフレがどのようなものになるかの予測ができ、調整局面を乗り切る為の参考に出来る。

中国の経済は軟着陸が可能な時期は過ぎ、今は不時着と墜落の瀬戸際にあると思う。不時着の範囲内にとどめることが出来ると良いのだが。

October 13, 2015

戦争とテロ

シリアやイラクでは、有志連合に属する西欧諸国を含む戦争行為を行っている各勢力が「今日は何人の敵勢力を殺した」と発表している。これを見ると、戦争とは国家およびそれに準ずる勢力が行う大量殺人行為である事が明らかだ。そして、大量に殺すことで敵に恐怖を感じさせて戦闘意欲をそぐと言う点で戦争はテロの一種である。

テロとは、その語源が「terror=恐怖」である事から明らかなように、暗殺や大量殺人、大規模破壊などの暴力行為で敵を恐れさせる事を目的とする。その点において、中東で各勢力が行っていることは全てテロに他ならない。ただ勢力によって方法が異なるだけである。これは全ての国家間戦争についても言える。その意味で戦争を行う国は全てテロ国家である。

かつて、「戦争とは国家が行う大量殺人であり、国家の指図によってそれを行うものは表彰されるが、それを私的に行うものは罰せられる」と言った者がいる。中東の戦争で各勢力が殺した敵の人数を得意げに発表しているのを見ると、この言葉に真実味を感じる。

また、各勢力が殺した敵の数を誇っている所を見ると、「戦争とは殺人ゲームであり、多く生き残った勢力が勝利者になる」と言う点が現代でも変わっていないと言う事もわかる。

October 12, 2015

立ちすくむ日銀

投機筋の動きに方向性が無くなり、相場は乱高下を繰り返している。原因は投機家達が疑心暗鬼になっているからだ。中国景気の先行き、米国の利上げ時期、そして難民問題やVW問題によるヨーロッパの景気の不安など、投機家が強気になれない要素が多い。

これらに関する些細な変化や憶測で投機筋が右往左往する現状では、日銀は何らかの景気刺激策をとりたいところだが、うかつには動けない要素がある。それは金融緩和が既に極限に達している為、今以上に資金供給を進めても一時的な相場上昇以上の大きな効果は期待できないことだ。さらに、大規模な景気刺激策は市場に景気後退を印象づけかねない。これは、政府と日銀がアベノミクスの成果が上がっているとの主張を自ら否定する事を意味し、政権の基盤を揺るがしかねない。

これらが日銀の手を縛っているため、日銀は今以上の景気てこ入れ策には乗り出しにくい。その結果今の日銀は、景気の自律的回復を期待して見守ることしか出来ないのだ。

October 11, 2015

刑事フォイル

NHKBSで放送中の刑事フォイルはなかなか見応えがある。英国製のドラマらしいどっしりとした進行と落ち着いた画面構成で、こちらもじっくりと楽しもうと言う気になる。色調はセピアがかっていて暗めだが、最近の日本製ドラマにありがちなただやたらに暗いというものではなく、メリハリが利いていて見やすいのも良い。

さらに第二次世界大戦中の英国が舞台になっているので、当時の社会状況も登場する。陸軍の補助婦人部隊から派遣されている女性運転手は、男手が払底して多くの若い女性が軍に志願して後方任務についていた当時の英国の状況を教えてくれる。補助婦人部隊員は輸送・補給業務の他、司令部の事務業務、通信・管制業務などで人手の不足を補っていたと伝えられている。中にはドイツ軍爆撃機が到達できないスコットランドやアイルランドの工場や飛行場から、南部の前線航空基地に戦闘機を空輸していた女性パイロット達もいたという。

また、航空機好きとしては時折スピットファイアがちらりと登場するのも嬉しい。まだ航空機のデザインに、お国柄や設計者の美的感覚を反映できた時代ならではの瀟洒な姿が好きだからだ。さらに、お転婆な運転手サム(サマンサの愛称)を演じる赤毛の女優(ハニーサックル・ウイークス(*))も、いかにも英国人らしい雰囲気をまとっていて楽しい。

追記(2015/11/03);
11/01の放送では第2次大戦に大活躍した名輸送機の「ダコタ」が登場した。今後も第二次大戦中の航空機が登場するかもしれない。ドイツ機は無理だと思うが、英国機は可能性がある。(ただし、初回にDo-17らしき双尾翼の軽爆撃機が一瞬だけ登場したことがある。)

「ダコタ」は、ダグラス社が戦前から製造した旅客機DC-3の軍用型C-47の英国での名称で、英国でも大量に使用された。DC-3は戦後も大量に製造され、初飛行から80年たった現在も補修や改造を受けながら飛び続けている機体がある。離着陸滑走距離が短く、舗装されていない滑走路でも運用が可能なため、僻地ではまだ必要とされているのだ。あのNASAも、極地の基地でターボプロップ化した改造機にスキーを履かせて科学観測機として使用している。

追記(2015/11/11);
(*)ハニーサックル(Honeysuckle)は「スイカズラ[忍冬]」の仲間の英語での総称。花の蜜が多く、子供が吸って遊ぶことから「Honey(蜜)+suckle(授乳する、育てる)」となったのでしょう。

追記(2015/11/23);
戦闘機乗りの息子アンドリューが登場してからスピットファイアが登場することも増えた。登場するのは、4翅のプロペラと膨らみのあるバブルキャノピーを装備したMk.IX後期型(1943年以降)なので、ドラマの設定の1940年とは合わないが低空を飛び回る姿は楽しめる。

ノーベル平和賞

今年のノーベル平和賞はチュニジアの対話団体に送られた。これについてはチュニジア国内でも戸惑う声が上がっていると報じられている。

しかしこれまでも常に平和賞は政治的意図を持って選定されてきた。北欧三国からの政治的メッセージと言っても良い。そしてそれはその時々のトピックスに対するものだ。今年は大量の難民を生んでいるシリアやイラクなどの内戦と混乱に向けたもので、チュニジアを見習って対話を行えと言う意図が歴然としている。言い換えると、各国は中東の混乱を沈める努力をせよとの呼びかけでもある。

今年は中東の混乱と内戦が選定委員の最大関心事だったわけだが、来年の最大関心事は何になるのだろうか。世界の全ての場所が平和で争い事が無いため、平和賞受賞者を選ぶことが出来ないようになってくれると良いのだが。

October 10, 2015

MLBの投球制限

MLBの中継を見ていると、投手の投球には様々な制限が課せられているのに気がつく。1試合の投球数、リリーフ投手のイニング数、年間投球イニング数などだ。これについて、日本の投手は高校生でも1試合130~150球を投げるのにと言う者もいる。しかし、日米の投手が置かれている環境を比較すると、MLBの投手の方が厳しい事がわかる。

まずMLBは中4あるいは5日と登板間隔が短く、週1回の登板が普通の日本の投手に較べると回復期間がとれていない。さらに、移動時間がせいぜい2~3時間の日本に較べ、大陸の両端を6時間以上かけて飛行機で移動することも当たり前のMLBは疲労の回復が図りにくい。さらにまた、日本の投手は登板が無い日は球場に出向かず休養と調整に専念するが、MLBでは必ず球場に入る。また、日本のプロ野球の興行スケジュールでは毎週月曜日が休日となっているが、MLBでは10日20日の連戦も珍しくない。これもまた、MLBの方が疲労回復という点では厳しい。

これらの他、投手が投げる球速の違いも肩や肘への負担と言う点で大きな違いになる。いくら筋力を強化していると言っても、時速160km近い球を投げるのと時速140kmの半ばまでの球を投げるのでは、一球毎の負荷はまるで異なる。

これらを並べてみると、日米の投手の環境は大きく異なり日本の常識はMLBでは通用しないことが理解できる。

October 09, 2015

TPPが暗礁に?

アメリカのご機嫌を取ろうと日本政府が賢明にお先棒を担いだTPPだが、肝心の米国が条約を批准しない可能性が出てきた。大統領に成果を上げさせたくない野党、そしてTPPの内容に不満を持つ与党の一部が相次いでTPPに反対する声明を出しているからだ。

米国が条約を批准しなければどうなるのか?米国抜きで発効させるのだろうか。そもそも米国抜きでTPPの存在意義があるのか?米国抜きではTPPが空中分解しかねない。

野党が多数を占める議会はTPP条約の批准を承認しないだろう。現状では先行きの予想は困難だ。結論は大統領選挙後まで持ち越しになるかもしれない。大統領選挙後に批准が拒否された場合、米国は再交渉要求を持ち出しそうだ。

October 07, 2015

勝てぬ田中;ヤンキース敗退

ヤンキースが地区シリーズ決定戦に敗れて今年のシーズンを終えた。

今年のヤンキースの特徴は勝てないと言う事につきるだろう。特にシーズン終盤は拙攻を繰り返して勝てるはずの試合を落とすことが多かった。田中もこれが原因で勝ち星を落としたことが多い。

もっとも田中の場合は、味方が拙攻を繰り返している間に無駄にホームランを打たれたケースが少なくない。決定戦もこのパターンで敗戦投手になった。取られた点は少ないので、米国流に言う「クオリティスタート」の条件は満たしているように見えるが、日本流では先に点を取られるのはピッチャーの責任になる。

来シーズンの田中はこの点を改善する必要があるだろう。

国大文系縮小論(ここでもまたKYの欠如)

文科省が出した文書が、国大の文系学科の縮小を求めたものだとして非難を浴び、文科省担当者が釈明に走り回っているという。

国大、特に旧帝大の文化系と言えば政財界の中心人物の多くが卒業している。それを軽んずるような発言をすれば当然、政財界から十字砲火を浴びせられることになる。それが予見できぬほど最近の官庁のキャリア組上級職の程度が低下しているのだろうか?

それとも権威の言いなりになり、想像力を働かせて自分で判断することを排除した脱戦後教育の成果だろうか?最近至る所でこのような想像力の欠如した、言い換えるとKY(危険予知)能力が欠如した行動が目立つのが気になる。

米財務省がトヨタをIS協力企業に?

紛争地帯のニュース映像で必ず登場するトヨタハイラックスだが、例に漏れずISも多数を利用している。そのためか、米財務省がトヨタに対してこれらのハイラックスがISに渡った経緯の説明を求めているという。

トヨタが現在はタイで生産しているハイラックスは、ラフロードでも使える安価で維持が容易でタフなピックアップトラックとして、途上国では多数が使われている。西欧製の類似車両は高価なため、その様な地域では民衆が日常的に使える作業用車両として唯一無二の存在と言っても良い。このため流通する中古車も数も膨大だ。

ハイラックスが紛争地帯で改造されて簡易戦闘車として使用されているのは、もう何十年も前からだ。にもかかわらず今回、米財務省が調査を求めたことがことさらに報道されたのは、トヨタが親IS企業であるとの風評を立てて米国での販売に悪影響を与えようとする意図かもしれない。

追記(2015/11/17);
ハイラックスを簡易戦闘車に使っているのは反政府武装組織だけではない。先日シナイ半島で墜落させられたロシア旅客機の調査を報じるニュースの映像で見ると、エジプト軍も荷台に機関砲を搭載したハイラックスを周辺警備に使っていた。正規軍にとっても安価な戦闘車を入手する手段として、ハイラックスの改造は魅力的なのだろう。

ヨタ;「Aチーム」の「コング」に改造を依頼すれば、強力な戦闘車両に化けるかもしれない。

金木犀の香り

今年も金木犀の香りが漂い始めた。また、午後遅くなると毎日、枝をざわめかせて強い風が吹くようになった。

少しずつ、神戸も秋が深まって行く。

ノーベル賞受賞

医学生理学賞の大村市に続き、今年二人目のノーベル賞受賞者に物理学賞で梶田氏が選ばれた。韮崎の町に続き、神岡の町も二人目のカミオカンデ関係者の受賞に湧いているだろう。

こうなるともう一つ、憲法9条と日本国憲法の編纂者にノーベル賞が贈られないものかと期待してしまう。第1次世界大戦後に国際連盟が作られたと同様に、第2次大戦の反省に基づき戦争の無い世界をこうして作りたいという理念を示したものだからだ。

日本が第2次大戦の反省をしていないという国もあるが、憲法9条がその反省の意を表しているのだ。憲法9条を無くしてしまえば、日本は反省はしませんという意思表示ととられても致し方ない。もっとも、安倍氏達「日本は悪くない」と主張する者たちにとっては、「だからこそ憲法9条は廃止しなければならない」のだろうが。

October 06, 2015

佐野氏への逆風

東京オリンピックロゴでの失態以前は、その業界内では有名人として一世を風靡していた(らしい)佐野氏だが、彼に対する逆風は強まるばかりのようだ。

そもそもデザイナーの知名度などその業界内だけのことで、たまさかメディアが注目すると一時的に知名度が上がると言った程度のものだ。佐野氏についても、今回の騒動が起きる前は一般人にはほとんど知られていなかった。

そんな状況なので、何かのデザインを選定する際にも事業主体の担当者が「著名なデザイナーの作品です」と言えば、一般人は「ああそうなんですか」で通ってしまっていた。しかし今回の騒ぎで「悪名」がとどろいた結果、今度は「佐野氏のデザインです」と言うだけで一般人は拒絶反応を起こすようになった。

佐野氏への逆風はますます強まるばかりで、当分は事務所の経営にも困難が生じるかもしれない。今回の騒動の一部は、仕事をスマートに(お手軽に)済まそうとしたスタッフの仕業だと佐野氏は主張している。そうだとすればその様なスタッフを全員解雇して、しばらくは自分の手を使って地道に仕事をしていくしかないだろう。

景気が回復すると株価が下がる

米国の雇用統計が公開されたが、失業率が予想より悪かった。この結果から、FRBの金融緩和策の縮小が遠のいたとして株価が上昇した。

かつては景気が良くなると期待が持てる状況では株価が上がったものだが、最近は景気が良くなりそうだという情報があると株価が下がることが多い。これは、株価などの投機市場が実体経済では無く、政府が行う金融政策だけに反応していることを如実に示したいる。

政府が市場に投機資金を供給すれば株価が上がり、逆に投機資金を引き揚げれば株価が下がる。これは投機商品と資金のバランスだけで価格が変動していることを示しており、経済学で言うところの需要と供給のバランスによって価格が変動する好例だ。

しかし問題は、これが実体経済の商品ではなくバーチャルな商品の分野でのみ成立していることだ。政府が供給する資金が、実体経済には流れず、バーチャル経済に吸い取られてしまうため、資金供給による景気刺激がほとんど聞かなくなっている。このため、金融緩和のやり過ぎでバーチャル経済にしか効果が無い、資金供給以外の手段を失っている政府にはもはや打つ手が無い。

これが実体経済の不況が長期化する主な原因だ。

October 05, 2015

理念無き野党共闘は支持されない

民主党が幾つもの野党との選挙協力などを模索している。しかし、自民・公明出なければ何でも良いでは有権者の支持を得られないだろう。

野党共闘や再編は、まず政治理念ありきで無ければならない。政治理念や政策抜きの共闘や再編は、形ばかりでしか無い。それでは有権者は何を根拠に支持政党を選べば良いか分からない。そんな政党では、支持を集められるわけが無い。

さらに高性能が求められるスーパーコンピューター

おバカな蓮舫女史が「一位じゃ無ければダメなのか」と言ったスーパーコンピュータだが、2015/10/04のサイエンスゼロでは彼女がけなした「京」ですら既に科学者から能力不足の声が上がっていると解説されていた。その放送を見ると、蓮舫女史がいかに何も知らずにお利口さんぶっていたのかがよく分かる。

より高性能のスーパーコンピュータが必要とされるのは、気象学、医学、工学などの各分野で、シミュレーション計算の大規模化と精密化によって取り扱うデータポイント数やポイント毎のパラメーター数が級数的に増加しているからだ。そして計算時間はデータポイント数の何乗かで増加する。このため、現在よりもより高精度のシミュレーションを行いたい科学者からは既に「京」では能力不足との声が出ているのだ。

スーパーコンピューターの開発競争は単なるコンピューター技術の腕比べではない。他国より高性能のスーパーコンピューターを持てば、他国より進んだシミュレーションを行う事が可能になり、科学技術において他国より先を行くことが出来る。だからこそ一位になるような能力を持つスーパーコンピューターが必要なのだ。

一位になること自体にはたいした意味は無い。しかしそれを使用する科学者の必要に応える性能を持てば、必然的にその時点での「世界一」になると言うことだ。

次のスパコンは「垓(ガイ,10の20乗)」になるのか、それとも「杼【正しくはのぎへん+予】(ジョ,10の24乗)」になるのだろうか。

頻発する記録的豪雨

相変わらず世界各地で記録的豪雨による被害が多発している。

現地時間2015/10/03夜には南仏のカンヌ周辺で近年に無いの豪雨があり、17人の死者が出ている。また、やはり現地時間2015/10/03の夜から翌日にかけて米国のサウスカロライナ州で「年間にこれほどの豪雨がある確率は千分の一」の豪雨があり、死者が出る大きな被害が発生して非常事態宣言が出されているそうだ。

世界各地から報じられる大規模な豪雨被害。これは報道対象となる地域が拡大している為、今まで報じられなかった災害が報じられるようになった為なのだろうか。あるいはまた、温暖化などの気候変動により、発生そのものが増えかつ程度が酷くなっているのだろうか。

極地の急速な温暖化に加え、亜熱帯から温帯地域の気象現象は確実に激しいものになってきている。このようなニュースを見ると、原子力発電を止めておく為に温暖化ガスの削減に知らぬ顔をしている日本はこれでいいのだろうかと思ってしまう。

敵の敵は味方とは限らない

兵法では、「敵の敵は味方」として利用できるのが常識だ。しかし今のシリアではこれが通用しない。

欧米が敵としているシリア政府と戦っている反政府勢力の一部がやはり敵だからだ。しかも始末が悪いことに、親西欧とされている反政府勢力の一部は反西欧勢力と協力関係にあり、西欧側から受け取った武器などを密かに横流ししている。

このような勢力は厳密には味方とは言えない。なぜならば一つの敵(シリア政府)の敵ではあっても、もう一つの敵(イスラム国)の味方だからだ。

このため、西欧側はどれが敵でどれが敵では無いのかを見極めるのが困難になっている。これが西欧側に空爆を手控えさせ、その結果ほとんど効果が無いことの原因だ。

その点ロシアの戦略は単純明快だ。イスラム国を第一の敵と見定めて、イスラム国とそれに協力的な勢力を一掃しようとしている。当然、欧米の援助を受けながらイスラム国にも協力している勢力も敵と見なされる。別の言い方をすれば、イスラム国と戦わない反政府勢力は攻撃対象になる。このため敵味方の区別は西欧側よりは明快で、攻撃目標の選定もやりやすい。

いずれにしても、政府側かイスラム国かのどちらか一方をまず殲滅し、その後にもう一方を殲滅させると言うやり方をしなければ、現状の打破は不可能だ。

October 03, 2015

ロシアのシリア介入は泥沼化するか

オバマ米大統領がロシアに対して、シリア介入は泥沼化すると警告したそうだ。既に中東介入で泥沼にはまり込んでいる米国からの警告だけに切実感がある。

ただ、米ロの介入の仕方を見るとロシアの方が単純明快で、シリア政府軍に敵対する勢力の全てが対象であると割り切っている分だけ米国よりは撤退はしやすいだろう。米国は政府軍とISおよび親IS軍事勢力を対象としているが、米国が支援している勢力も実は親ISで、米国から受け取った武器をISに横流ししたりしている現状を見ると、米国に敵味方の識別が出来ているとは言いがたい。その結果、米国は止めどないモグラたたきの泥沼にはまり込んでいる。

どう考えても米国の中東に於ける戦力は矛盾だらけだ。その点、ロシアの戦力は単純明快で分かりやすい。

October 02, 2015

爆買いにブレーキ?

中国政府が、中国人が海外で引き出せる「元」の上限を年末まで5万元(約95万円)に制限することを決めたとCNNが報じている。

CNN記事;「中国、海外旅行客の元引き出し額に上限 資本流出阻止で」
                 2015.10.01 Thu posted at 18:21 JST

この記事によると、旅行者が持ち出したり海外で引き出したりした「元」は、今年上半期だけで約2,190億ドルだそうで、国内の株安や景気減速対策を目的に資金流出を制限しようとするもののようだ。

来年は年間10万元に制限されるそうで、富裕層による爆買いにブレーキがかかりそうだ。

October 01, 2015

除菌が子供の病気の原因?

日本では除菌商品が大流行している。ところが除菌のしすぎが健康を損なうかもしれないと言う研究報告が少なくない。その代表的なものは腸内細菌と健康との関連だ。

腸内細菌は「善玉菌」・「悪玉菌」という形で健康食品の宣伝に利用されている。しかし、全ての菌は何らかの意味があって腸内に住まわせて管理しているので、厳密な意味で善玉菌と悪玉菌を区別することは困難だ。また、そもそも腸内細菌はそのごく一部しか同定(菌の種類を決めること)されていない。そして既に知られているものの多くは環境常在菌と言って、生活環境に普通に存在しているものだ。言い換えると、生活環境に存在する菌は口から入っても基本的に害は無い。それどころか、何らかの病気で抗生物質を服用すると腸内細菌も死ぬので、腸内細菌は数も種類も偏った状態になる。これを平常に戻すにはそれらの菌の種を経口摂取する必要がある。

このような腸内細菌のバランスが崩れたままに放置すると、様々な心身の障害が起きることが最近の研究で明らかになり始め、本日のAFPサイトには次のような研究が紹介されている。

AFP記事;「子どものぜんそく、腸内細菌の不足に関連か カナダ研究
            2015年10月01日 09:44 発信地:マイアミ/米国

これによると、新生児の生後100日までに腸内に取り込んだ最近の種類によって、それがぜんそくなどのアレルギー病の原因になるのだそうだ。

また過去に発表された研究でも、腸内細菌の種類によって性格が影響され、鬱の原因にもなる等というものがある。また、人間の性格を支配する寄生虫(原虫類)があり、これが寄生すると恐怖心が薄れて行動が積極的になるのだそうだ。

あなたがもし乳幼児を育てていて、将来健康で積極的な性格になって社会的に成功して欲しいと願うのであれば、除菌のやり過ぎは有害かもしれない。むしろ土埃にまみれて遊ぶ方が良いのかもしれない。少なくとも、子供の無菌培養は肉体的にも精神的にも良くないだろう。

愚かな米国のシリア戦略

ロシアがシリアに本格的に介入し始めたことでシリアのバランスが微妙に変わり始めるだろう。

これまで米国が行ってきた、政府側を少し叩き、それによって反政府側のISの勢力が増すと、今度はISを少し叩く、これはどんな兵法書でも愚とされるやり方だ。こんなやり方をしていてはいつまで経っても戦争は終わらない。むしろ終わらないままにしておきたい時にとる戦略だ。米国はシリア(イラクもだが)どうしたいのか?この地域の混乱を終わらせる気があるのか?と言わざるを得ない。

戦争が続けばヨーロッパに押し寄せる難民の大群はつきることが無い。中東の、そしてヨーロッパの混乱を終わらせるには、まずどちらか一方を潰し、その後もう一方を潰すべきだ。そして最初に潰すのはどちらかと言えば、一時的にでも勝っては不都合な方に決まっている。

それがどちらかは言うまでも無いが、西欧が一度は荷担した手前、それを潰すのは道義上不都合ではある。しかし、西欧が供給する武器の多くがそのままISに流れていく現状では、IS以外の反政府勢力が味方とは言えない。それを考慮すれば、道義だの体面だのと悠長なことを言っていられる状況ではあるまい。また、「イスラムの春」に加担して武器援助を行ったこと自体、西欧の安全と利益にとって正しかったのかが疑われる状況になっていることも考慮しなければならない。

現状ではロシアの、ひとまず過激なイスラム勢力を潰そうという戦略の方が、どんな軍事理論に照らしても正しい。もっとも、これはあくまで軍事理論上の話で、「人道」上何が正しいのかは今の私には判断しかねる。

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