「世界に誇るジャパンクオリティ」は世界に通用しない
インドネシアの高速鉄道計画で日本は中国に敗れた。「日本が世界に誇るジャパンクオリティ」の現状から考えると、これはある意味必然の結果と言って良い。
それはなぜかというと、今の「ジャパンクオリティ」はかつての日本製品の安く頑丈で壊れにくくかつ使いやすいとはかけ離れているからだ。あけすけに言うと、現在の「日本が世界に誇るジャパンクオリティ」の正体は「過剰品質」だ。
何が過剰品質かというと、使用者が使いもしない機能を多数詰め込んで「高機能/高性能」と称して高値で売ろうとする点だ。このため購入者は不要な機能に無駄な金を払わされることになる。多機能が高品質と信じ込まされている日本人や、無駄なギミックに金を払う余裕のある富裕層ならばそれで良い。しかしまだ世界の消費者の大半を占める普通の人々にはそんな余裕は無い。だから現実に使う機能に絞って、使いやすく知識がないものが使っても故障しにくい、故障した時には街の修理屋で簡単に修理できる、そんな商品が好まれるのだ。
その様な観点から見れば、今回日本が勧めていた「世界に誇る日本の新幹線」の品質はどうだったのか。私が得た情報の範囲では、明らかに過剰品質であり、維持管理に高度の知識と多額の費用を要するものになっていた。
途上国の鉄道システムで必要なものは何か?最小限必要なものだけに絞ればどのようなシステムになり、どこまで費用を減らすことが出来るのか。その様な観点で新幹線システムを簡素化しなければ、今後も日本の新幹線技術を導入して簡素化した中国には勝てないだろう。
無駄な機能をつけて高価格を目指す「世界に誇るジャパンクオリティ」は、日本国外では富裕層にしか魅力が無い。一般人が利用するものについては、かつての「安く故障しにくいメードインジャパン」を復活させる必要がある。ブランド品ばかりでコモディティの製造を捨てていれば、稼働率が下がって固定費が上がるばかりで、ますます国際競争力が低下するからだ。
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