中国経済失速の原因
中国経済の失速が世界経済の懸念材料になっている。
その原因のひとつは中国政府が努力はしているがうまく行っていない兆候度成長経済(バブル経済と言っても良い)からの軟着陸だ。これは日本の失敗を他山の石として20年ほど前から徐々に進めるべきであったが、日本同様浮かれ景気から目を覚ますことが出来ずに取りかかるのが遅れてしまった。日本よりは取りかかるのが少し早かったとは言え、崩壊が見え始めてからでは極めて微妙な舵取りが必要なのだが、これがうまく出来ていないので経済状態が不安定さを増している。
もう一つの原因は汚職追放だ。中国では共産主義経済の時代から汚職は一大産業で、経済開放後これは急激に成長を遂げGDP中で無視できない規模になっていた。汚職を一気に追放しようとすると、GDP中のこの部分が消滅する事になる。これは経済失速をもたらす。この二つが現在の中国経済の混乱の原因だ。
要するに中国経済の不安定化の原因は、政府が軟着陸や汚職追放を急激に進めようとしていることにある。早く始めれば歪みや犠牲は小さくて済むが、官僚は政権中枢部や中枢部とつながり利権を持つ者からの反対を恐れて手をつけるのが遅くなりがちだ。特に中国のように上意下達の体制でそうならざるを得ない。これが問題の根底にある。
日本のバブル崩壊時にも、官僚の実務部隊が発した注意信号は好景気に酔っていた政権中枢部や高級官僚の耳には入らなかった。これはどこでも起きうることなのだ。
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