温暖化ガス排出削減案策定へ
国際的に提出を迫られている温暖化ガス削減計画に関して、政府は目標を2030年に現状の25%を削減するとする方向で調整に入ったと報じられている。国際的に非難を受けない為の計画案としては、EU諸国の40%削減案に比較されることを考えると、少なくとも30%程度は必要なので総枠としてはかろうじてというところだが問題はその中身だ。
中身を見ると、原子力発電所の事故で温暖化ガスの排出量が増えた2013年を基準として、再生可能エネルギー比率を22~24%、原子力発電比率を20~22%とし、森林による吸収を積み上げれば可能性はあると言うことのようだ。つまり、以前から分かっていることではあるが、原子力発電抜きにはとうてい他国を満足させる削減は不可能だと言うことを意味している。
果たして実現性がある計画なのかと首をひねるのはこれが理由だ。
日本人が国際的な地位を向上させて行くには、温暖化ガス排出削減は避けて通れない。しかし多エネルギー消費型の現在の生活水準維持するためには、原子力発電所の稼働は不可欠だ。
言い換えると、日本人は生活水準を切り下げてでもエネルギー消費を減らすか、原子力発電を再開して生活水準を維持するかの選択を迫られているのだ。しかし、良識派を自認するメディアでも、温暖化ガス排出削減と生活水準と原子力発電が切り離せないことには知らぬ顔をしている。原子力発電反対の声を称揚するばかりで、温暖化ガス排出削減を進めよという声を抑えようとする傾向すらある。これは日本人の身勝手さを示す好例かもしれない。
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