警察がスマホのGPS情報を無断で利用できる;近づく1984年
朝日新聞が本日(2015/04/17)の朝刊で、総務省が犯罪捜査のためスマホや携帯のGPS情報を警察が持ち主に無断で利用できるようにする方向で検討中だと報じている。
記事によると、これまでも利用は出来たが該当端末にGPS情報を第三者が利用している旨の表示を出すことが義務づけられていた。しかしこれでは追跡されていることが相手に分かってしまうので、表示を出さないよう利用ガイドラインを改訂するのだという。これを乱用すれば、警察は誰であっても勝手に追跡できることになるので重大なプライバシーの侵害だと指摘する者もいるという。
このような方法で、警察が誰でも行動の監視をする事ができるようになれば、国家が拘束したい相手の行動を24時間監視して、些細な違法行為で低穂交流することも可能だ。
さらに顔認識技術と組み合わせると、各所に配置された防犯カメラの画像との組み合わせで任意の人物の詳細な行動を、本人に悟られずに監視することが可能だ。こちらの方法による監視は、基本技術はすでに実用段階になっており、その実証実験を大阪駅とその周辺で人の流れを解析するためと称して行おうとしたぐらいだ。十分な数のコンピューターがあればいつでも実現可能と言える。
かくして、「1984年」の世界が近づいてくる。あと、出生直後に本人証明と健康管理のためなどと称してICチップを埋め込めば、「悔い改めよ、ハーレクインとチクタクマンは言った」の世界のように、国家が好ましくない人物を抹殺するのには心臓を止めるコマンドを送信するだけで良い事になる。
「IT化は良いことだ」、「ビッグデータの活用も良いことだ」と浮かれていると、知らぬ間に1984年の世界になっている事は十分にあり得る。そのとき、世界を管理しているのは国家権力とは限らない。情報産業を支配する巨大私企業である可能性も十分にありうる。若者達は巨大組織に自分たちの個人データを使われることになれてしまっているが、これがどのような事に繋がっていく可能性があるのかも考えてもらいたいものだ。
あなたがウインストン・スミスにならないことを祈る。
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