郷愁の風景
ローカル鉄道を紹介する番組を見ていると懐かしい風景に出会う。
私は東京の杉並区の南部、井の頭線沿線で育った。小学校は地元の学校に通ったが、中学・高校・大学は合計10年以上(予備校も含めて)井の頭線に乗って通学した。卒業したのは約40年前で、その後は関西で会社勤めをしてきた。その当時、通学に利用していた電車が今はローカル鉄道を走っていることが多い。それを見ると懐かしい気分になるのだ。
当時の井の頭線沿線、特に明大前より北の吉祥寺までは住宅と農地が入り交じっており、神田川沿いに走る井の頭線の電車も農地と住宅を縫って走っていた。昭和30年代の後半に水質汚染で稲作ができなくなるまでは、神田川沿いは水田が拡がってあちこちにわき水もあり、私たちのような子供にとっては絶好の遊び場だった。
そんな時代の記憶があるので、現在の地方都市とその郊外の住宅と農地が入り交じった場所を走る昔なじみの電車を見ると、昔の状景がよみがえってくる。
大都市で育ったものはある意味故郷喪失者だ。地方出身者が大勢押しかけ、農地が住宅やビル街になり、30年も経つとかつての面影はほとんど残っていない。そんな大都市出身者にとっては、昔見慣れた風景に似た場所を走っている、昔なじみの電車はとても懐かしい。
まだまだ、20年でも30年でも走り続けて欲しいと願う。
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