国際政治の潮流が変わるのか?
日本の政治家達がコップの中の権力争いをしている間に、国際政治の潮流が少しずつ変化し始めている様に感じる。
その最大のものは、米国がキューバと国交交渉を始めると言うことだ。キューバ革命で資産を接収された米国が制裁を行った結果、キューバを共産主義国陣営に追いやったが、その後執拗な米国の圧力や工作にも関わらず、キューバの政体は安定を保ってきた。今回の決定は米国が政策の誤りを認めて、方針を大転換すると言うことだ。保守派とキューバからの亡命者が猛反対するだろうから、交渉を順調に行う事ができるかどうかは予断を許さない。しかし、カリブ海の政治が新しい方向に進み始めると言うことは間違いがないだろう。
その2は、原油価格低下によるルーブル危機だ。現時点では外貨準備が十分にあるとのことだが、ルーブル安が長引けばロシア経済は破綻に瀕するだろう。これは西欧への天然ガス供給能力をよりどころにした、ウクライナ情勢を巡るロシアの強気にも大きな圧力となるだろう。頼りは、ロシアの金融破綻を西欧が恐れるだろうと言うことだが、西欧が世論の圧力により救済措置をとらない事もあり得る。従って、ウクライナ情勢に関するロシアの態度はより慎重にならざるを得なくなる可能性がある。
その3は、EUの一般裁判所がパレスチナ人武装組織の「ハマス」はテロ組織ではないと言う判決を下したことだ。この判決によって、EU諸国が「ハマス」をテロ組織として取り締まる事が難しくなり、「ハマス」を弾圧しようとするイスラエルの行動に対する支援も根拠を失う。イスラエルは今回の判決を非難しているが、最近のパレスチナ人に対するイスラエルの行動に反発が強まっている事の現れと見ることもできる。いずれにしても、「ハマス」と「イスラエル」に対するEU諸国の政策に方向転換圧力が加えられると考えるべきだろうし、ナチスばりのイスラエルの行動にブレーキをかけられれば、パレスチナ情勢は良い方向に向かうだろう。
その4は、EU議会がパレスチナ国家承認を決議したことだ。加盟国への強制力はないが、パレスチナ国家承認国が徐々に増えている事も考え合わせると、イスラエルの行動に対する反発が強まっていることを教えてくれる。これはいずれ米国に対する圧力に変化するだろう。
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