大学入試改革
またまた大学入試改革の提言が出されるらしい。
私が受験生だった50年前から、何度も改革は行われたがいずれも成功したとは言い難い。もっとも大きな制度変更であるセンター入試も,結局は偏差値による大学の序列化を進め、受験テクニックを売り物にする受験教育業者を喜ばせたに過ぎない。また、知識偏重を廃し個性を重視するとした制度変更も、試験を使わないAD入試など入り口の多様化はされたが、大学での教育に耐えるだけの知識を持たない者を多数入学させ、大学の知的水準を下げるだけに終わったように思える。
そこで提言だが、センター試験は知識評価に徹し大学入学資格試験とする。これによって、大学教育に耐えられる最低限の知識があるかどうかを評価する。その代わりこの試験の受験資格は設けず、誰でも何度でも受験できることにする。
そして、大学入試は一切の基準を設けずに、個々の大学がその教育方針に基づいて自由な方法や方式で行えるものとする。これにより大学の多様性が保たれ、競争も盛んになるだろう。場合によっては、大学の判断で資格試験に合格していない者の入学を認めても良いだろう。
これでは大学の水準がばらばらになって不都合だと言う者がいるかもしれない。しかしこうすれば大学の評価は社会的声望で自ずから定まる。国が定めた基準による序列格付けより、遙かに柔軟で鋭敏な評価になると考える。
国による統制的改革よりも、各大学の自主性に任せる改革の方が良い。
« 太陽に大黒点(2014/10/25) | Main | 発電コストの比較 »
Comments