iPS細胞による移植治療
毎日新聞がiPS細胞を使う移植手術が行われると報じている。
記事;「iPS細胞:理研など9月中に移植手術実施の見通し」
2014年09月08日 23時24分
これは理研のCDPが「加齢黄斑変性」の治療を目指して行うもので、厚生労働省のヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会(委員長・永井良三自治医科大学長)の審査で問題がないと判定され、今月中に最初の移植手術を行うのだそうだ。CDPはSTAP細胞の研究だけでなく、iPSS細胞の臨床研究も行っているのだ。
iPS細胞は必要な遺伝子の導入にウイルスの一種を使うので、生物学的封じ込め実験室を使う必要がある。生物学的封じ込め実験室はウイルスや細菌が実験室外に出ないように作られているもので、建設にも維持にも経費がかさむのでiPS細胞の作成と培養にかかる費用が高くなる。これはiPS細胞を使う医療の費用を押し上げる。
そこで、特殊な実験室を必要としない、薬品処理や機械的作用によって作成できるSTAP細胞のような手法が世界中で研究されている。ただそれにはまだまだ時間がかかるので、iPS細胞のようなすでにある万能細胞を使って培養や移植の技術の開発をどんどん進めておく必要もある。
その意味で今回実施しようとしている様な臨床試験はどんどん行うべきだ。試験の結果どのような効果が得られ、どのような問題があったのかを調べ、それを改善して行くことは大いに価値がある。改善運動同様に、PDCAサイクルを効率よく回して改善を進めて行くことが重要なのだ。
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